「ピーナッツと谷川俊太郎の世界」

 

世界一有名なピーグル犬といえば、スヌーピーですね。

 

昨年は「PEANUTS」が日本に上陸して50年の節目を迎えたのだそうです。

 

「PEANUTS」の全ての漫画を日本語に翻訳したのは、詩人の谷川俊太郎さんです。

 

50年間という長い年月を一人で翻訳しつづけたのは、各国の翻訳者の中でも極めて稀だそうです。

 

それほど、「PEANUTS」の登場人物たちの言葉は、谷川俊太郎さんによって見事に日本語に(空気感までも)変換されています。

 

出版社や編集者が変わっても、「谷川俊太郎さんじゃなければ」という思いは、変わらずにあったのでしょうね。

 

 ピーナッツと谷川俊太郎の世界 チャールズ・M・シュルツ 谷川俊太郎

 

 

この本には、谷川俊太郎さんが登場人物たちへあてた詩があり、「ライナス・ヴァンペルト」と題された詩が特に印象深かったので紹介しますね。

 

 

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  ライナス・ヴァンペルト

 

毛布は永遠だ

 

ぼくらはみんな身に覚えがある

 

毛布の代わりの貯金通帳

 

毛布の代わりのおふくろの味

 

 

 

カボチャ大王だって永遠だ

 

ぼくらはみんな身に覚えがある

 

真夜中に夢が本物の涙を流させること

 

真っ昼間に夢が奇跡をもたらすこと

 

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「ぼくらはみんな身に覚えがある」という一文だけで、私たちがライナスに共感している理由が見抜かれた気がします。