最近、クリニックの外来で、糖尿病や脂質異常症(ほかに脂肪肝など)で通院されている患者さんの傾向が、見事なまでに大きく2つに分かれています。
コロナウイルスが流行する前と、今の時期とを比較したお話です。
興味深いことに、血液検査のデータが目に見えて改善しているグループとやや悪化しているグループがあるのです。
おおざっぱに言って、40~50歳台の男性のグループと、60~70歳台の女性のグループ。
男性のグループは、自粛ムードになったとたんに職場での飲み会や模合がなくなって、まっすぐ帰宅することが多くなったんですね。糖尿病や脂質異常、肝機能検査の数値がびっくりするほど改善しています。
女性のグループは、日頃からジムに通って運動を習慣づけていた人たちです。休業要請でジムが閉まっているので、家に閉じこもることが多くなって、明らかに運動不足になってしまっています。
悪しき習慣が中断となったグループと、良き習慣を中断せざるを得なくなったグループです。
興味深く思ったのは、普段から外で飲むのではなく「家飲み」をしてきた人は、理屈としては変わらないはずなのですが、今の時期の方が悪くなっていること。
「なんで?」と思ったのですが、よく考えると「コロナ、コロナ」でストレスがたまってしまっているようです。それで、アルコールの量が増えているのだと思いました。
同じ状況を経験しているようでいて、それに呼応する人々のパターンは感心するほど千差万別です。