消毒の父 ゼンメルワイス

 

感染症に対して「手洗い」が重要かつ有効な予防策であることは現代では周知の通りです。

しかし、それは最初から認められていたことではなくて、ある偉大な、けれどもあまりに不遇な一人の医師によって明らかにされたものでした。

その医師はハンガリーの医師、ゼンメルワイス(1818~65年)です。

ゼンメルワイスについての詳しい説明は、ほかのサイトにいくらでもあると思いますので、こちらでは簡単に説明するのにとどめますね。

ゼンメルワイスはウィーンで医学を学び、産科に勤務していました。

当時不治の病として恐れられていた産褥熱について研究を始めた彼は、やがて診療に従事する医師や医学生が汚れた手で妊産婦を診療するためであることを見抜きました。

そればかりでなく、診療の前に塩化カルシウム液で手洗いをすることで産褥熱を防ぐことができることを実証したのでした。

その後、ハンガリーの首都ブタペストに戻った後も手洗いの重要性を説き続け、その普及に努めたのですが、彼の主張を受け入れることができない医学界の反発にあい、やがて神経衰弱となって46歳にしてこの世を去ったのでした。

当時は病原体としての細菌の存在も知られていなかった時代です。

彼の死後20年にして、やっとコッホやパスツールにより多くの細菌が発見されました。

生前、ゼンメルワイスが言っていた「死体微粒子」の正体は細菌だったのです。

その正体を見抜いただけでなく、予防策を実証してみせた彼の実績は、「消毒の父」として今なお多くの人たちに尊敬されています。

 

 

そういえば、最近の GoogleDoodles は、ゼンメルワイスと手洗いの動画ですね。(下の方に貼っておきます)

 

Ignaz Semmelweis 1860