渡辺和子さんの著書「人間としてどう生きるか」の中にこんな一文があります。
「どうしておまえはそんなバカなことをしたのか」「おまえとしたことが」と自分をなじったりすることがたくさんあります。その時、一人ひとりご自分のかたわらに立って、ご自分をやさしい目で見ておあげになると、まず顔がやさしくなります。そして、心もやさしくなるみたいです。
よくわかります。
後悔で心が占めてしまって、顔をあげられずに自然に垂れてしまう時があります。
自分はいつも自分とともにありますから、自分に対する責めはずっと続きますし、執拗にあらゆる欠点を突いてきます。
しぼんでしまっても、まだ終わらない時もあります。
疲れ果てて眠ってしまって、朝になって昨日のことを忘れかけたので少し取り戻しますが、思い出したら、また再開です。
ティク・ナット・ハン氏の瞑想のキーワードにこんな誘(いざな)いの言葉がありました。
「息を吸いながら、体を楽にする。息を吐きながら、体に微笑む。」
この「体に微笑む」というのが、瞑想中、なかなかできませんでした。
というのも、「自分に対して微笑む」をしたことが、久しくなかったからです。
「微笑む」は「自嘲」とは違います。
渡辺和子さんが言うように「かたわらに立って、自分をやさしい目で見て」微笑むことです。
自分自身に対して微笑んでみる。
言葉ほど簡単ではありませんでした。練習が必要だと思います。