統計による早とちりのワナ

統計学的な数字を持ち出して、因果関係に結び付けてしまうというのは、実は思わずやってしまう過ちですね。

 aha! Gotcha ゆかいなパラドックス2 マーチン・ガードナー著

この本は、そんな私たちの早とちりの例をいくつか紹介してくれています。

 

統計によれば、大半の自動車事故はふつうのスピードで走ったときに起こり、150Km/h 以上のスピードで走っていたときの事故は滅多にありません。とすると、猛スピードで走ったほうが安全かということになりますか?

そんなはずがありません。統計的な関係は因果関係と無関係なことが多いのです。たいていの人はふつうのスピードで走りますから、ふつうのスピードのところで事故が起こるのは当たり前です。

 

アリゾナ州ではほかの州よりも肺結核で死ぬ人が多いと統計が言っています。アリゾナの気候は肺結核にかかりやすいということなのでしょうか?

まったくの逆です。アリゾナの気候が肺結核にとてもよいので、患者たちはアリゾナにこぞって出かけるのです。だから肺結核で死ぬ人も多いわけです。

 

ほかにも、最近、ある地方のビールの消費量と病気の発生件数が増えたのは、ビールを飲むと病気にかかりやすくなるということなのか?とか。(実際は、その地方の人口が急に増えたので両方増えるのは当たり前なのでした!)

 

人は数字を出されると弱いので、つい因果関係に結び付けて信じてしまいがちになります。

この本は統計による早とちりを戒めるのに良いかも知れませんね。

 

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