「フレイル」という言葉

 

「フレイル」という言葉を教えてもらったのはつい最近のことです。

正直に言うと、知らないどころか耳にしたこともありませんでした。

 

言うまでもなく、言葉は概念をつくって、方向性を示してくれます。

 

言葉が概念をつくるというのは、身近な例では「メタボ」がありますね。

「メタボ」という言葉は、「内臓脂肪型肥満」に高血糖、高血圧、脂質異常症を合併した状態ということを世間に認知させました。

生活習慣病に対する目標が合併症予防であることを皆が知っているのは、「メタボ」という言葉が普及したおかげだと思います。

 

日本老年医学会のホームページに「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」が掲載されています。

今日、紹介したいのは、そこにある「フレイル」という言葉です。そこにはこう説明があります。

 

後期高齢者(75歳以上)の多くの場合、“Frailty” という中間的な段階を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられている。

Frailtyとは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、

生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、

筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、

認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念である。

 

簡単に言うと、「(年齢に伴って)筋力や心身の活力が低下した状態」。

それにとどまらず、社会的な問題も含めた概念ということです。

 

フレイルの状態に陥った高齢者を早期に発見すること。そして、適切な介入をすることで、生活機能を維持、向上させること。

「歳だから仕方がない」とあきらめるのではなく、再び健常な状態に戻る対策や介入を図る。

栄養をつけること、運動を継続すること、人と接する機会を増やすことなどが大切でしょう。

そのために、フレイルという言葉の概念を広く認知させることが必要だということです。

 

フレイルの予防に関する概念が普及すると良いですね。

 

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