「Say When」 と 「とう」

 

 

佐藤総さんというアマチュア(?)マジシャンの「トランプと悪知恵」というレクチャーノートがあります。

「アマチュア(?)」という表現にしたのは、「アマチュアA」の定義がマジシャンに限っては

通例のアマチュアのイメージとは少し違うということがあるからです。

 

日本ではマジックのカルチャーを支えてきたのは、彼らアマチュア・マジシャンです。

少し長くなるので、この話はまた別の機会に。

 

 

 

初版が2003年ですから、少し前になりますね。

(佐藤総さんはその5年後の2008年に「カードマジックデザインズ」という衝撃的な著作を発表しました。)

 

 

「トランプと悪知恵」の中の佐藤さん自身の言葉を紹介します。

 

 

「エニー・カード・アット・エニー・ナンバー」と呼ばれる

昔からマジシャンやメンタリストがどうにかして実現させようとしてきた

見果てぬ夢のようなテーマがあります。

 

 

次のような現象です。

観客に、デック1組の中で好きなカードを1枚言ってもらいます。

別の観客に1~52の中で好きな枚数目を言ってもらいます。

観客のひとりがテーブルに置いてあったデックを取り上げ

二人目の観客の言った枚数目にあるカードを確かめると

それはまさしく一人目の観客の言ったカードです。

 

 

つまり、ありえない偶然の一致です。

 

 

この本の中で、佐藤さんはこのありえないテーマの

解決策のいくつかを発表してくれています。

 

 

個人的な思い込みに近いのかも知れませんが

「1から52の数字の中で好きな数字をおっしゃってください。」

というよりも

マジシャンが手にした1組のデックを1枚ずつテーブルに配っていきながら

「あなたの好きなところでストップとおっしゃってください。」

という方が、よく見るシーンかも知れませんね。

そのストップをかけてもらったカードが「選ばれたカード」というわけです。

 

 

この方法が、マジシャンがカードに触れる機会がある分だけ

解決策の範囲が広がっていくわけで

私のような者が思いつくだけでも

1)フェイクカードを利用するもの

2)グライドやパームなどの技法をつかったもの

3)心理的なフォースをつかったもの

など、いくつかのやり方が思いつきます。

 

 

佐藤さんが紹介してくれたテーマを文字通りにしようとすればするほど難解なテーマになります。

 

 

そういうこともあって、なかなかお目にかかれないのかも知れません。

 

 

なんでそんなことを言い出すのかというと

「Say when」

という英語があるらしいことを、最近初めて知ったからです。

 

 

アメリカにお酌をする風習があるのかどうかわかりませんが

沖縄では 「とう、とう」 という言葉が、まさしく同じ場面で使われます。

 

 

アメリカで、相手にお酒など飲み物を注ぐときに

「ちょうど良いところで、結構と言ってください」という意味で用いられるそうです。

ちなみに、もうそれぐらいでいい、と伝えたいときは、ただ”When.”と言えばいいらしいのですね。

 

 

沖縄では、泡盛を水割りにするときに

お酒をつぎながら 「どれくらい入れたらいい? 『とう』 って言ってよ。」 と言います。

「ストップ、ストップ」と言っても、つぐのをやめずに

「 『とう』 って言わなかったさあ。」と言って濃い水割りをすすめてしまうのは定石。

 

 

つまり、相手にたくさんお酒を飲ませたいのですね。

 

 

お酒か何かをついでもらっている時に、もう充分と言うタイミングの時を 「とう、とう」 という表現を使うわけです。

ちょうど良い。

ジャスト・タイミング。

もう充分。

それらを包括した意味があります。

 

 

これって、英語の 「Say when」 とまるで同じだなあと思って。

 

 

マジシャンが言うのです。

 

 

マジシャンが手にした1組のデックを1枚ずつテーブルに配っていきながら

「良かったら 『とう』 って言ってよ。」

「ストップ」

そのまま配り続けるマジシャン。

「え?」

「なんで、『とう』 って言わなかったさあ。」

 

 

そこでマジックが成り立つのなら、新しい解決策の発見ですね。

 

 

 

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