「救われない」「どこにも居場所がない」 暗く重い小説です。
主人公がある朝目を覚ますと虫になっていたというありえない設定で、導入部分はある種エキサイティングです。
けれども、その展開はどこまでも絶望的で救われず、結末まで陰惨な小説です。
私はこういう小説が思春期の頃はなぜか好きでした。
「救いがない」という状況なのに、何もかもが捨て去られた「軽やかさ」を感じていたような気がします。
この「変身」という小説ほど、読み手によってとらえ方が違う小説はないかも知れませんね。
今読むと、現代社会の数々の問題点と重なって(例えば介護の問題とか)、かなり考えさせられました。
青空文庫で読めますし、Kindle版は0円でした。
青空文庫のリンクはこちらです。 → 「変身」