薬との飲み合わせに気をつけないといけない代表的な食べ物にグレープフルーツがあります。
果実はもちろん、グレープフルーツジュースでも、薬の血中濃度が上がる可能性があります。
同時じゃなくて時間をずらせれば大丈夫?という疑問もあるでしょうが
その効果は2,3日続くと言われていますから、影響を受ける薬を処方されたら口にしないようにすることが大切です。
処方されたお薬で、「グレープフルーツ」についての説明を受けた方はたくさんいらっしゃるでしょうね。
なぜ、グレープフルーツにそのような相互作用があるのでしょう。
みかんやオレンジ、レモンはどうでしょうか。
薬は内服すると、もちろん消化管から吸収されます。
吸収されて血液の中に入り、それぞれが薬の効果を現すのですが、薬といえども体の中に入った物質は異物です。
体にとって良いものを薬と言っていますが、薬と毒は本来区別されるものではない異物なのですね。
吸収された薬は主に肝臓で、代謝されてその効果を失います。
実は肝臓だけでなく、吸収される前にすでに消化管の中で代謝(解毒)が始まっているのです。
生き物の側から考えると、異物が消化管の中に入ったら、できるだけ吸収させないようにする防御機構があっても不思議ではないのかも知れませんね。
ですから、薬は(毒物も)ある程度効果を失ってから、吸収されています。
これが生き物として正常な状態です。
薬の用量は、有効な血中濃度が保てるように設定されています。
ちょうど良い血中濃度になるように、正常成人で普通の状態で血液検査をしたうえで決められたものです。
そこに消化管の代謝(解毒)を邪魔するようなものがあったとしたらどうでしょう。
効果を失う分も効果を保ったまま吸収されてしまうことになります。
たとえば、内服する時は用量100の薬があったとします。
消化管で代謝(解毒)されて50になりました。
50が吸収されて、薬として作用します。
この薬は、有効に作用するのに50あれば十分というわけです。
グレープフルーツの中にある成分(フラノクマリン類)が、代謝(解毒)を邪魔することがわかっています。
たとえば、内服する時は用量100の薬。
消化管で代謝されるはずが、グレープフルーツの影響で代謝されずに100のままで吸収された。
血中濃度が通常の倍になってしまう計算です。
このフラノクマリン類という成分は、みかんやオレンジ、レモンには含まれていません。
ただし、ザボンなどには含まれているので、グレープフルーツだけがダメというわけではないということは理解していた方が良いでしょう。
ご自分のお薬が、グレープフルーツの影響を受けるものなのかどうか
もう一度確認しても良いですね。