問題と問題点

 

問題と問題点の違いについては、問題解決のお話のなかで前提として説明されます。(図解問題解決入門 佐藤允一著)

問題というのは「目標と現状のギャップであり、解決すべき事柄」のこと。結果として起こったことが問題となります。

そして、問題点とは問題の原因のこと。たいていは一つではなく、複数の原因が存在するものです。

さらに加えると、問題点とは原因の中で手の打てるもの、改善可能なものを言います。

手の打ちようのないものは問題点のリストからはずさなければなりません。

問題解決では、複数リストアップされた原因のなかで、手の打てるものと打てないものを判別することから始めます。

つまり、手の打てるものだけを問題点として取り上げることが、最初の一歩になります。(問題点の把握)

原因として考えられるけれども、手の打ちようがないことを議論しても問題解決にはなりません。

では、今回の「パンデミック」についてはどうでしょうか。

「パンデミック」は、問題です。

では、問題点は?言い換えれば改善すべき点は?

手の打てるものと打てないものの判別は?

「パンデミック」のような発生型の問題は、「今どうなっているか」という現状をできるだけ正確に把握していくことが重要ですし、原因を究明するためには、正確な情報の分析が必要です。

そして、問題を解決しようと対策を考えるうえで、さらに重要なことがあります。

それは「その問題は誰の問題であるか?」ということ。

人によって、立場によって、問題の捉え方が違ってくるのは当然のことです。

同じ「パンデミック」でも、「個人の自由が奪われるのが問題」と考える人たちと「生活の糧が失われるのが問題」と捉える人たちと「医療が逼迫するのが問題」と危機感を覚える人たちとは見ている方向が違っています。

そして、その違いは問題の形をより複雑にして見えづらくしてしまっています。

しかし、目標は明らかです。「パンデミックを終息させること」

自分たち一人ひとりが手の打てることを判別し、その問題点ひとつひとつの対策を考え実行することが求められています。