1972年から73年にかけて、石ノ森章太郎先生原作の「人造人間キカイダー」が放映されていました。
その頃、私は小学1年生ぐらいですから、まさしくドンピシャの年代です。
最近よく耳にするアシメを彷彿とさせる左右非対称のデザインや、人体模型をモチーフとした中身スケスケのデザインが、今の時代でも独創性に溢れていると思います。
キカイダーのカラーは赤と青。
青は正義の心、赤は悪の心を象徴しているとされ、キカイダーは「不完全な良心」を持っているという設定でした。
それが彼の弱点であり、良心回路が不完全であるために、ギルの悪魔の笛の音を聞くと思考回路が混乱し、善と悪の葛藤で苦しむことになります。
キカイダーが変身する前の人間の姿がジローです。
ジローは常にギターを背負っており、彼が登場する時、自らギターを弾いて登場します。
「どこだ?どこだ?」
そのメロディを聞いたダークロボットたちは、おおいにうろたえるのでした。
ジローは塔のてっぺんだったり(確か)崖の上だったり、わりと高いところから登場します。
「ジローのギター」と言われている曲は、その登場曲なのですが、現代のプロレスラーの登場曲のような元気を鼓舞するような曲ではなく、哀愁に満ちた切なく悲しいメロディなのです。
先入観なしに聞かせたら、キカイダーの挿入曲と言っても信じないくらいに、静かな曲です。
この曲を聴くと、大人たちがヒーローものを真剣に作っていた時代だったのだと、改めて思います。