今日は、自然が私たちの時間感覚に与える影響について、紹介します。
この話題は、忙しい毎日を送る中で、ふと立ち止まり、周りの世界を感じる時間の重要性を再認識させてくれます。
現代社会は「時間」という概念に支配されています。
毎日埋められたスケジュール、課された業務やしめきりなど。
しかし、自然の中で過ごす時間は、この絶え間ない時計の針の音を遠ざけ、私たちに「今」を生きることの大切さを思い出させてくれます。
研究によると、自然との関わりは、私たちの健康や幸福に不可欠な役割を果たしています。
森の中で深呼吸をするとき、海岸線を歩くとき、私たちは物理的にも精神的にもリフレッシュされます。
さらに、自然体験は、時間の持続感を伸ばし、時間の視点をシフトさせる力を持っていると言われています。
例えば、森の中で過ごした短い一時が、思いのほか長く感じられたり、過去、現在、未来に対する肯定的な見方が強まることがあります。
では、なぜ自然は私たちの時間感覚にこんな影響を与えるのでしょうか。
ひとつの理由は、自然が私たちに与える「注意の回復」にあります。
自然の中では、私たちの心は無意識のうちにリラックスし、集中力が回復します。
これは、自然が提供する穏やかな刺激が、私たちの心をリセットし、時間をゆったりと感じさせるからかもしれません。
さらに、自然体験が私たちの時間の視点を変えることも示唆されています。
自然の中で静かに過ごすことで、現在に集中しやすくなり、過去の後悔や未来への不安から一時的に解放されるのです。
これは、自然が私たちに与える心の平和や、「瞬間」にもどす力によるものかもしれません。
しかし、都市の生活では時間が常に不足していると感じることが多いですよね。
自然との関わりが希薄になることで、私たちは時間との健全な関係を見失いがちです。
だからこそ、自然体験の価値を再認識し、日常生活に取り入れることが大切になります。
元論文:
Acknowledging and understanding the contributions of nature to human sense of time. Ricardo A. Correia: 05 March 2024 https://doi.org/10.1002/pan3.10601