夜が深まると、私たちの体は自然と眠りにつきます。
しかし、その睡眠がどのように私たちの健康に影響しているのでしょうか。
最近の研究では、睡眠の質が身体的健康に与える影響について興味深い結果が報告されています。
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Iwagami, M., Seol, J., Hiei, T. et al. Association between electroencephalogram-based sleep characteristics and physical health in the general adult population. Sci Rep 13, 21545 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-47979-9
この研究では、30~59歳の成人100人を対象に、ポータブルの多チャンネル脳波記録装置を使用して睡眠特性を測定しました。
睡眠の質を分析するためには、10のEEGに基づくパラメータが用いられ、参加者は良い睡眠群、中間睡眠群、悪い睡眠群の3つに分類されました。
睡眠の質と身体的健康の関係を探るため、50の健康パラメータが比較されました。
特に注目されたのは収縮期血圧(sBP)で、睡眠群間で有意な差異が確認されました。
中間および悪い睡眠群の参加者は、良い睡眠群と比較して、年齢、性別、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、酸素飽和度低下指数を調整後も高い収縮期血圧を示しました。
これは、睡眠の質が血圧に影響を与える可能性を示唆しています。
睡眠は、私たちの身体にとって再生の時間です。
質の良い睡眠を得ることは、心臓や血管の健康を守る上で非常に重要です。
この研究結果は、日常生活での睡眠の質に気を配ることの重要性を改めて教えてくれます。
睡眠の質を向上させるためには、定時に床につくこと、快適な寝室環境の確保、ストレスを減らすためのリラクゼーション技法などが有効です。
決して睡眠薬の使用を推奨しているわけではありません!