同時接種の可能性:COVID-19とインフルエンザワクチン

冬が訪れると、私たちの健康に対する脅威が増します。

この季節、インフルエンザとCOVID-19のウイルスが活発化するため、予防策が重要になります。

最近の研究により、これらのウイルスへの対抗策として、新たな可能性が示されました。

 

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McGrath LJ, Malhotra D, Miles AC, et al. Estimated Effectiveness of Coadministration of the BNT162b2 BA.4/5 COVID-19 Vaccine With Influenza Vaccine. JAMA Netw Open. 2023;6(11):e2342151. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.42151

 

米国での研究では、COVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチンを同日に接種(同時接種)することの有効性が明らかにされています。

この研究は、2022年8月から2023年1月にかけて、それぞれのワクチンを単独で、または同日に接種した340万人以上の成人を対象に行われました。

この研究の結果は注目に値します。

65歳以上のグループでは、ワクチンの同時接種はCOVID-19に関連する入院の発生率に大きな差はみられませんでしたが、インフルエンザ関連の結果においては、単独接種と比較して若干低い発生率を示しました。

18歳から64歳のグループでは、COVID-19関連の結果がやや高い発生率を示しましたが、全体的にはワクチンの同時接種が類似の有効性を持つことが示されました。

これは、ワクチン接種の効率化という点においても有用な情報となります。

特に、秋や冬のワクチン接種キャンペーンにおいて、この情報を含めることで、より多くの人々がワクチンを受ける機会を得るかも知れません。

日本の場合、厚生労働省のホームページでは「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は可能です。また、それぞれのワクチンを別の日に接種する場合の接種間隔についても制限はありません。」と告知されています。

SARS-CoV-2は一年中流行していますが、他のウイルス性呼吸器感染症(例えばインフルエンザ)と同様に、主に冬にピークを迎える季節的なパターンに従うことになるでしょう。

今後も、COVID-19ワクチンは毎年秋や冬に季節性インフルエンザワクチンとともに接種される可能性が高いと思われますから、その時の接種方法の参考になるかも知れませんね。