人生とは、一冊の小説のようなものです。
主人公は自分自身であり、筆を握るのも自分自身です。
そして、私たちが人生の舞台で物語を演じる際、そのキャラクターがどのような人物かを決めることが最も重要です。
この視点を提供してくれるのが、この書籍「物語思考」です。
「物語思考」は、人生を変えるためには、キャラクター設定が必要だと説きます。
まず、自分が目指す理想のキャラクターを設定します。
そして、そのキャラクターとして行動し、自分を変えていくのです。
このプロセスは、従来の「習慣→結果→認識」の順番を逆転させ、「認識→結果→習慣」へと導くものです。
例えば、ダイエットを目指したとします。
従来の方法では、だいたい「甘いものを我慢する」という習慣を身につけることから始めます。
けれども、「物語思考」を取り入れると、まず「私はストイックなキャラクターだ」という認識を持ち、そのキャラクターとして行動するのです。
「甘いものを食べないのは、我慢ではなく、そのキャラクターの性格だからだ」
この方法の利点は、心が折れにくいことです。
キャラクターとして行動することで、心の中で楽しむことができます。
そして、その楽しみが続ける力となるわけです。
「物語思考」は新しい概念ではなく、「ナラティブ・アプローチ」として以前から広く知られているものです。
「キャラクター」を設定することで、問題と自分を切り離していくのです。
これを「外在化」と言います。
外在化によって「本人=問題」という図式を離れ、問題の影響を客観的に考えられるようになり、別の見方ができるようになります。
取り組むひとつのきっかけとして、良いアイディアかも知れません。