不安を鎮め、現在に生きる:「5-4-3-2-1メソッド」

 

日々の生活の中で、不安はしばしば私たちの心を乱します

「マインドフルネス」が、その不安を和らげ、今の瞬間に意識を引き戻す力を持つということはわかっているのだけれど、実際にどうやったらいいのかわからないという方は多いかも知れませんね。

「マインドフルネス」の言葉自体が、どこか抽象的なイメージがあるのも事実です。

ここでは、実践的なエクササイズとして、こんなメソッド紹介します。

「5-4-3-2-1メソッド」と呼ばれるものです。

このメソッドは、自分の五感をフル活用して、自分自身を現在の瞬間に引き戻すものです。場所を選ばず、立っていても座っていても、または横になっていても実行できます。

 

具体的なやり方を説明します。

まず、深呼吸から始めます。鼻から息を吸い、口からゆっくりと息を吐きます。

そして、目を開けて周囲を見渡し、視覚的に認識できる5つのものを見つけます。それは壁に掛けられたポスターや、本棚の隅に張られた蜘蛛の巣、夜間の灯りとなるランプ、椅子で眠る猫、花を咲かせたサボテンなど、何でも構いません。

次に、触れることができる4つのものを探します。手に持ったマグカップの温かさ、ベッドの上の柔らかな掛け布団、身につけているジーンズのデニムの質感、足元のカーペットのざらつきなど、触覚で感じることができるものを見つけます。

その次に、耳を澄ませて聞こえる音を3つ探します。時計の秒針の音、コンピューターの静かなモーター音、窓の外から聞こえてくる交通音など、聴覚を使って現在の瞬間に集中します。

そして、香りを嗅ぎ、感じることができる2つのものを見つけます。マグカップから立ち上るお茶の香りや、洗濯したての洋服から漂う清潔な香りなど、嗅覚を刺激するものを探します。

最後に、自分が現在感じている感情を1つ認識します。これは自己認識の瞬間であり、自分の感情を無条件に受け入れることで、自分自身を現在の瞬間に引き戻します。

 

「5-4-3-2-1メソッド」は、不安を和らげ、自分自身を現在の瞬間に引き戻すための強力なツールとなります。

五感を通じて現実世界とつながり、自分自身を現在に引き戻すことで、不安から解放され、心地よい安定感を得ることができます。

このメソッドは、日々の生活の中での小さな瞬間に、大きな価値を見出すことを教えてくれます。