南の海底のミステリーサークル ― その発見から解明への道のり 2026/07/19Posted in文献, 生物, 科学 奄美大島南部の砂に覆われた海底に、直径約2 mの円形模様があります。 中心から放射状に峰と溝が並び、峰には貝殻やサンゴ片まで置かれています。 上から見れば、作り手は完成した円を思い描き、設計図に沿って砂を刻んだように…
運動の置き土産は腸にもあった ― 動かさない筋肉を守った2つの代謝物 2026/07/18Posted in健康, 医療全般, 文献, 生物 朝のランニングを終えると、ふくらはぎは張り、息はまだ少し速く、シャツには汗が残ります。 運動の効果が生まれる場所として思い浮かぶのは、動いた筋肉や心臓、肺です。 反対に、ギプスで固定された脚の筋肉が減るのは、その脚を…
体重計の下の名簿 ― 食事を減らすとき、血液のなかで入れ替わるもの 2026/07/17Posted in健康, 医療全般, 文献 朝、体重計に現れる数字は、私たちにとって小さな判決のようなものです。 ゆうべ食べすぎたか、今週は少し抑えられたか。 数字が下がれば安堵し、上がれば小さく落胆します。 食事を減らした効果は、この数字に表れる。 それが体…
落ちる先は、真ん中ではない ― 重力を量子にしない試み 2026/07/16Posted in文献, 科学 家の鍵が上着の右ポケットか左ポケットか分からないとき、鍵の平均位置は胸の中央です。 けれども、中央を探っても鍵は出てきません。 どこにあるか知らないことと、中間にあることは別です。 確率の平均は便利ですが、個々の出来…
1人では、あの音にならない ― 「The Night Before」を弾いて知ったこと 2026/07/15Posted inビートルズ, 日常, 記念日, 音楽 2026年6月29日、ビートルズが日本へやって来てから60年を迎えました。 各地で記念の催しが開かれるなか、私も自分なりの祝い方をすることにしました。 7月のギター教室の課題曲を、「The Night Before」…
記録よりも、きつさが変わる ― 音楽を連れて走る理由 2026/07/14Posted inスポーツ, 文献, 音楽 ジョギングをしていると、以前より、イヤホンをつけたランナーが増えた気がします。 耳をふさがない骨伝導やイヤーカフ型が広まり、外の音を聞きながら使えるようになったことも大きいのでしょう。 ただ、これだけ多くの人が走りな…
カモメにも初心者マークがあった ― 茶色い羽が伝える「まだ敵ではありません」 2026/07/13Posted in文献, 生物 若いカモメの羽は、まだらの茶色をしています。 白と灰色でくっきり整った大人の隣に立つと、その茶色はいかにも仕上がりきっていない、途中の色に見えます。 私たちはつい、この茶色を、早く抜け出すべき中途半端な時期のしるしと…
小さな鳥がシカを追い払った ― 巣を守るヤマシギの意外な防衛行動 2026/07/12Posted in文献, 生物, 科学 アメリカヤマシギという鳥がいます。 ずんぐりした体に、体に合わないほど長いくちばしをつけて、地面を踏むように上下しながら歩きます。 鳴き声は鼻にかかった短い声で、勇ましいところはあまり見当たりません。 この鳥の生き方…
坂は一本ではない 2026/07/11Posted in心理学, 文献, 日常 人の名前がとっさに出てこない。 暗算に前より少し手間取る。 若いころほど頭が回らなくなった、と感じる場面は、40を過ぎたあたりから増えてきます。 こうした手応えから、多くの人が一つの見取り図を持っています。 頭の働き…
開いていると思っていた箱 2026/07/10Posted in宇宙, 文献, 科学 2019年、人類は初めてブラックホールの姿を写真にしました。 オレンジ色の環が、暗い中心を囲んでいる。 あの1枚は、地球ほどの大きさに広げた望遠鏡が、世界中で集めた電波を組み合わせて作られています。 ただし、集まった…
強さを目算する目 ― 男性の体の魅力に残る古い物差し 2026/07/09Posted in心理学, 文献 街を歩いていて、あるいは画面をながめていて、誰かの体にふと目が留まることがあります。 しばらく鍛えているのだろうな、とか、引き締まっているな、とか。 多くの場合、私たちはそれを個人的な好みだと考えています。 人の体の…
前半の貯金は、後半で利息を取られる ― マラソンの足取りに残る配分の科学 2026/07/08Posted inスポーツ, ランニング, 文献 市民マラソンの30キロ地点で、それまで軽かった脚が急に言うことを聞かなくなることがあります。 私の場合は、毎回といってもいいほどです。 前半は気持ちよく飛ばせて、時計を見ては貯金ができたと安心していました。 ところが…
絶対零度で、熱の出入りが消える ― ネルンストの定理を第2法則からたどる 2026/07/07Posted in文献, 科学 「いちばん冷たい場所」と聞くと、決まってひとつの光景が浮かびます。 温度計の目盛りをどこまでも下へたどり、これ以上は下がらない点に行き着く。 粒の動きも止まり、すべてが凍りついた、階段のいちばん下の段。 「絶対零度」…
「つわり」を測る試み ― マーモセットとマウスに見えた足踏みの記録 2026/07/06Posted in医療全般, 文献, 生物 つわりは、外から見えにくい不調です。 吐き気、食欲の低下、においへの敏感さ、体重の変化。本人には切実でも、周囲にはその強さがわかりにくい。 そのため、ときに「個人差」や「気の持ちよう」という言葉の棚に置かれてきました…
サメのつきあい相関図 ― オオメジロザメも、つきあう相手を選んでいた 2026/07/05Posted in文献, 生物, 科学 オオメジロザメは、危険なサメとして名前が挙がることの多い魚です。 鋭い歯を持つ大型の捕食者で、海だけでなく汽水や淡水にも入り、ときに人との事故も起こします。 群れで身を寄せ合う魚というより、単独で獲物を追う魚。 私た…
週末の寝だめ ― 睡眠不足は足し算だけでは清算できない 2026/07/04Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 週末の朝、目覚ましを止めて、布団に戻る。 平日に削られた眠りを、今日こそ取り返す。 生活のリズムが多少崩れても、それはあとで考える。 いまは眠るほうが先です。 私たちは眠りを、口座の残高のように考えがちです。 平日に…
笑いは人間だけのものではなかった ― 類人猿の「ハハハ」に残る古い拍子 2026/07/03Posted in心理学, 文献, 生物 人間は「笑う動物」だと言われます。 でも、どうやら独占契約ではなかったようです。 動物園やテレビで、チンパンジーが口を開けて息をはずませている姿を見ると、私たちはつい「笑っている」と言いたくなります。 ある世代なら、…
でたらめの山に、存在を探す ― 高い次元の球面で見えた数学の境目 2026/07/02Posted in数学, 文献 何かが「ある」と言うとき、私たちはたいてい、それを出して見せます。 財布のお金も、引き出しの鍵も、手に取って差し出せば話が早いのです。 見せてもらえないものは、本当はないのか、と疑ってしまう。 目で確かめられないもの…
並べ替えて引く — その手は、2をかけていた 2026/07/01Posted in数学, 文献 紙に4桁の数を一つ書いてみます。 たとえば2808。この4つの数字を大きい順に並べた8820から、小さい順に並べた0288を引くと、8532が出ます。 その8532で同じことをすると6174になり、6174で繰り返す…