その同意は、本気だったのか ― 陰謀論調査に紛れ込む、冗談と信念のすき間 2026/05/17Posted in心理学, 文献, 日常 「国民の何%が、陰謀論を信じている」 そんな見出しを見ると、私たちはつい、「ああ、そういう人たちがいるのだ」とひとまとめに見てしまいます。 少し距離を置き、ときには色眼鏡で眺めてしまう。 調査票に付いた1つの丸印が、…
赤信号は、ただの足止めなのか ― 車を待たせる数十秒に見えた、街の移動の選ばれ方 2026/05/16Posted in文献, 日常, 科学 車を待たせない信号は、街にとって親切な設計に見えます。 実際、多くの都市では長いあいだ、車の流れをできるだけ止めないことが、信号設計の大きな目標になってきました。 車が多い場所では車側の青を長くする。 歩行者や自転車…
卵は、控えたほうが安心なのか ― 39,498人を15年追って見えた、食卓とアルツハイマー病の関係 2026/05/15Posted in健康, 心理学, 文献, 神経科学 外来で栄養の話になると、「卵はどのくらい食べてもいいのでしょうか」と聞かれることがあります。 すぐに答えられそうで、案外そうでもありません。 卵は長いあいだ、食卓の人気者であり、少し疑われてきた食材でもあります。 コ…
脳の下り坂に、細い道があった ― 成人3,966人を3年追って見えた、脳健康指数と生活の手がかり 2026/05/14Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学 鍵を探すのに時間がかかったり、数日前の出来事がすぐに出てこなかったりする。 そんな小さな記憶の淀みを、私たちはたいてい「年のせい」として受け入れます。 足腰が弱れば歩く距離を少し増やせる。 肌が乾けば保湿もできます。…
炭酸水を、ただ一本だけ置いた ― 健康成人45人の12週間試験で見えた、間食と飲酒の小さな分岐点 2026/05/13Posted in健康, 医療全般, 文献 「カロリーゼロ理論」というネタがウケるのは、もちろん理屈が正しいからではありません。 むしろ、あまりに正しくないから笑ってしまうのです。 けれど同時に、そこには少しだけ身に覚えがあります。 夕食後のひと口を「これは別…
未来からのホットラインにも、容量はあるのか ― 量子通信で考える、過去へ届く声の限界 2026/05/12Posted in文献, 科学 SFに親しんできた人なら、「未来から過去へ情報が届く」という設定を聞いただけで、いくつかの場面が頭に浮かびます。 例えば、映画『インターステラー』では、未来にいる父が過去の娘へメッセージを送ろうとします。 ジェイムズ…
昼寝に功罪はあるのか ― 高齢者1338人を最長19年追った、昼の眠りと寿命の研究 2026/05/11Posted in健康, 医療全般, 文献 午後のひととき、ソファに腰を下ろしてうたた寝をする。 これは、多くの高齢者にとってごく自然な習慣です。 短めの昼寝なら、疲れが少し抜け、頭も働きやすくなるように感じます。 加えて、年を重ねると夜の眠りは浅くなり、途中…
息が上がれば、同じ運動なのか ― 水泳とランニングで違った、心臓への手ごたえ 2026/05/10Posted inスポーツ, 健康, 医療全般, 文献 以前にジムに通っていた頃のことです。 私はトレーニング器具のある上階には向かわず、いつもプールへ直行していました。 決して泳ぎが達者な方ではありません。 それでも、水に浸かっている時間そのものが気持ちよかったのです。…
息が続くことは、体だけの話なのか ― 400万7638人の追跡で見えた、心肺持久力と心と記憶 2026/05/09Posted in健康, 文献, 神経科学 健康診断の検査項目で、「体力」は測定されません。 まして、認知機能や心の病といった分野とも、あまり結びつけて見られていません。 階段で息が切れた話と、最近気分が沈むという話と、同じことを何度も聞き返すようになった話は…
病原体に出会う前、T細胞は何を準備していたのか ― 食後の脂質代謝で、免疫の初動が変わっていた 2026/05/08Posted in健康, 医療全般, 文献 幼いころ、風邪をひくと、おばあがカチューユを作ってくれました。 お椀にたっぷりのかつお節と味噌を入れ、お湯を注ぐだけの汁物です。 医学的に万能薬という話ではありません。 それでも、体調を崩したとき、食べ物が体を支えて…
同じ挽き目なのに、なぜ流れが変わるのか ― エスプレッソの粉の中にある、通れる穴と通れない穴 2026/05/07Posted in文献, 日常, 科学 コーヒーの味にこだわるほど、豆の産地や焙煎の深さが気になります。 エスプレッソでは、細かく挽いて、タンピングと呼ばれる作業で押し固めた粉に、高い圧力でお湯を通します。 お湯が粉の層を抜ける速さが変われば、成分が溶け出…
勝手にマジシャン紹介:口のないカップに、なぜ空洞が見えたのか―高木重朗と、手品の中にある私たちの思い込み 2026/05/06Posted in勝手にマジシャン・シリーズ カップ・アンド・ボールという奇術があります。 カップを伏せ、その下にボールを入れたり消したりする芸です。 古代ローマ時代には「acetabula et calculi(アケタブラ・エト・カルクリ)」と呼ばれた記録があ…
ほどけない結び目を、QRコードとして読む ― 数学の難問に現れた、新しい「見分ける力」 2026/05/05Posted in数学, 文献 机の下で電源コードがからまっていると、無性にほどきたくなります。 どこをくぐらせ、どこを引けば元に戻るのか。 結び目とは、目で見て、指で追えば正体がわかるものだと考えがちです。 ところが数学で扱う結び目は、両端がつな…
腹に力が入ると、脳が動く ― 覚醒マウスで見えた、腹圧・脳運動・脳内液体流のつながり 2026/05/04Posted in健康, 文献, 神経科学 運動が脳によい、という話はすっかり常識になりました。 散歩を続ける人は、年を重ねても頭の働きが保たれやすい。 体を動かすことは、認知機能を保つ助けになるらしい。 そう聞くと、血流がよくなる、酸素が届く、筋肉からよい物…
ランニングシューズで足の故障は防げるのか――成人ランナー1万1240人と12試験で見た、靴選びと下肢傷害 2026/05/03Posted inスポーツ, ランニング, 健康, 文献 ランナーは靴売り場で、少しだけ未来を買っています。 厚いクッション、軽い素材、足の倒れ込みを抑える構造、足型を見て選んでもらう一足。 どれも「これなら痛めにくい」と思わせます。 値札を見ると、先に財布のほうが痛みそう…
足し算ではなかった、脳 ― 哺乳類182種とAIモデルで見えた、二つの情報整理と進化の配分 2026/05/02Posted in文献, 生物, 神経科学 脳の重さがほぼ同じなら、中のつくりも似ているはずだと考えたくなります。 ところが、夜に活動する小型のサル、フクロウザル(別名ヨザル)は脳の重さが約15グラム。 見た目はリスに似ていますが、尾が短く、ほとんど目立たない…
朝の一杯を待っていたのは、脳だけではなかった―健康成人62人で見た、コーヒー習慣・腸内細菌・気分と記憶のつながり 2026/05/01Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 朝の出勤途中、私はよくコンビニに寄って、ホットのカフェラテを注文します。 カップを受け取り、一口飲んで、ホッと息をつく。 そこから脳がようやく仕事用のモードに入っていく感じがあります。 これが、コーヒー好きという言葉…