「モーニングページ」

極論ですが、一日の始まりに何をするかで、その日の「質」が決まるような気がしています。

私の場合、たいていはコーヒーを飲んだり、スマホのニュースをチェックしたりしているのですが、なんとなく、それが「いい感じでない」気もしていました。

要するに、「何をするか」の問いに、うまく応えていないのですね。

新年を迎えたことだし、何か新しい習慣をはじめたいと思ったのも、そういう流れがあったからです。

そこで、思い出したのが「モーニングページ」でした。

モーニングページは、ジュリア・キャメロンの著書「The Artist’s Way」に基づいた習慣で、毎朝自由にノートに思いを書き留めることです。

実は、「モーニングページ」は、このブログで以前に紹介していたものでした。

こちら→ 「モーニング・ページ」

 

モーニングページは、単に書き記すこと以上の意味を持ちます。

それは、内なる声に耳を傾け、日々のストレスや創造的なブロックから解放される手段となります。

では、どうやってモーニングページを書き始めたらいいのでしょうか?

ポイントは「ペンを持った手を動かし続けること」です。

思考を巡らせず、ただ書くのです。

このプロセスは、自己検閲を回避し、心の中にある思考や感情を自由に表現することを可能にします。

例えば、何も書くことが思い浮かばなくて心が空白になった時には「and so it goes(それでいいのだ)」と繰り返し書くことで、ペンを止めない工夫があります。

この習慣は、単に書くこと以上のものをもたらします。

書くことによって、私たちは自分自身の内面を探求し、新たなアイデアやインスピレーションを見つけ出すことができます。

また、日々の反省や自己評価にも役立ちます。

モーニングページは、自分自身に正直になる機会を提供します。

この習慣を日常に取り入れることで、創造的な「筋肉」を鍛えることもできます。

例えば、平日の朝にモーニングページを書き、週末は休息を取っても良いのです。

もしも朝の時間を少し変えてみることができたら、モーニングページは素晴らしい選択かもしれません。

そう思って、実は、元旦から始めてみたのでした。

  

 

腎臓の検査と心疾患のリスク

この世にあるものは、時に、見えない糸で結ばれた複雑なパズルに例えられることがあります。

「健康」についてもそうです。

私たちはその一部を見て、全体を理解しようとします。

例えば、最近の研究によれば、尿中のアルブミンとクレアチニンの比率(UACR)が、心血管の健康と全死因死亡率に密接に関連していることが分かりました。

 

元論文はこちら→

Mahemuti N, Zou J, Liu C, Xiao Z, Liang F, Yang X. Urinary Albumin-to-Creatinine Ratio in Normal Range, Cardiovascular Health, and All-Cause Mortality. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2348333. Published 2023 Dec 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.48333

 

この研究では、約24,000人の成人を対象に、UACRがどのように健康状態に影響を与えるかを調べました。

UACRは、通常は腎機能の指標として使われますが、この研究では、心血管の健康度合いとの関連が明らかにされました。

興味深いことに、心血管の健康状態が良好な人々では、UACRの高さが死亡リスクにそれほど影響を与えませんでした。

しかし、心血管の健康状態が不良な人々の中で、UACRが高いと死亡リスクが顕著に増加することが見られました。

これは、健康は単一の数値ではなく、体の様々な要素が複雑に絡み合って形成されるという事実を物語っています。

これは、腎機能の評価が単に腎臓の健康だけでなく、心血管系の健康にも重要であることを示しているものです。

また、心血管疾患のリスクが高い人々にとっては、早期の腎機能評価が特に重要であることを強調しています。

このような研究を通して、私たちは健康というパズルの一片を解き明かしていくことになります。

 

「共有意思決定(Shared Decision Making : SDM)」について

 

今日の話題は「共有意思決定(Shared Decision Making : SDM)」について。

SDMは、患者と医療提供者が、治療の選択を、「共同で」意思決定するプロセスのことを言います。

このプロセスは、患者の自己決定権を尊重し、個々の価値観や好みに基づいた医療を実現するための重要な手段とされています。

こう言うと「患者が決定権を持つのは当たり前じゃないか」と思うかも知れませんね。

けれども、医者と対峙した実際の場面を想像してみてください。

「私は医学のことをよく知らないし、先生もああ言っているし、よくわからないけど言われた通りにしておこうかな。」

そう思ってしまうのが大部分ではないでしょうか。

SDMは、患者が自分自身の健康に関する意思決定に積極的に関与することを奨励しています。

加えて、医療提供者は適切な情報を提供し、患者の価値観を尊重します。

しかし、SDMの実施度合いを評価する標準化された方法はまだ確立されていないのが実情です。

また、このアプローチには限界や課題も存在します。

まず、SDMは患者の健康リテラシーや情報理解能力に大きく依存してしまいます。

医療情報の複雑さや専門性が高い場合、患者が十分な理解を得ることが困難な場合があります。

特に、医療知識が乏しい患者や高齢者、言語的・文化的障壁がある患者にとって、SDMのプロセスはより複雑で難解になります。

加えて、医療提供者の時間的、資源的な制約もSDMの実施に影響を及ぼします。

十分な時間を確保して患者との対話を行うことは、忙しい臨床現場では常に可能ではありません。

この結果、SDMは理想的な状況では有効ですが、実際の医療現場ではその実施が制限されることもあります。

さらに、患者と医療提供者の間の価値観の違いや、患者の個人的な意向が治療方針と矛盾する場合、SDMのプロセスは複雑化します。

患者の希望が医学的に最適な選択ではない場合、医療提供者は患者の自己決定権を尊重しつつ、最良の医療を提供するためのバランスを見つける必要があります。

これらの課題に対処するためには、医療提供者と患者の「双方の」教育や支援が不可欠です。

患者の健康リテラシーを向上させる教育プログラムや、医療提供者のコミュニケーション技術の向上は、SDMの有効性を高めるための大きな鍵となります。

また、SDMを支援するためのツールやガイドラインの開発も重要です。

SDMは、患者中心の医療を実現するための強力な手段ですが、その実践には多くの課題が伴います。

SDMは、決して新しい概念ではなく、そのコンセプトは1990年代にさかのぼり、多くの国で発展してきたものですが、まだ十分に普及しているとは言えません。

 

元論文:

Bouniols N, Leclère B, Moret L. Evaluating the quality of shared decision making during the patient-carer encounter: a systematic review of tools. BMC Res Notes. 2016 Aug 2;9:382. doi: 10.1186/s13104-016-2164-6. PMID: 27485434; PMCID: PMC4971727.

 

 

親と子どもの関係

 

「親が子どもに嘘をつく」

最近はホワイト社会といわれていますから、字面にしてしまうと「嘘をつくなんて」とか、「そんなことありえない」という声が聞こえてきそうですね。

けれども、その子どもが幼児なら、子育て中の親は日常的に(軽い気持ちで)嘘をついている気がします。

例えば、ぐずる子どもをコントロールしたいとき。

怯える子どもを安心させたいとき。

そして、子どもを喜ばせるために。(サンタさんなどはグローバルに大勢の共犯者がいますね。)

日常的にありふれた、小さなことのように、親は子どもに嘘をつきます。

しかし、この行動には深い意味があり、子どもたちの心理や成長に影響を与えていて、一概に良いとは言えないようです。

 

元論文はこちら→

Setoh, P., Low, P. H. X., Heyman, G. D., & Lee, K. (2023). Parenting by Lying. Current Directions in Psychological Science, 0(0). https://doi.org/10.1177/09637214231206095

 

子どもが成長するにつれ、彼らは徐々に親の言葉の真実性を見極める能力を身につけていきます。

親の嘘を見破った時、子どもは失望や信頼の喪失を感じることがあります。

この研究は、親による嘘が子どもの社会的スキルや心理的健康に長期的な影響を及ぼす可能性を指摘しています。

特に、親との関係性や、将来的な他者との信頼関係に影響を与えることが考えられます。

 

また、文化的な観点から見ると、親による嘘の頻度や性質には顕著な違いがあります。

これは、それぞれの文化が子育てに対して持つ価値観や期待に基づいています。

一部の文化では、子どもへの嘘が比較的許容される一方で、他の文化では厳しく見られることもあります。

 

この研究は、私たちに重要な疑問を投げかけています。

親が子どもに嘘をつくことは、どこまでが許されるのか?

また、その結果として子どもにどのような影響があるのか?

改めて、この問題を考えることは、親子関係の本質を理解しようとすることになるのかも知れませんね。

 

 

塩分摂取と慢性腎臓病(CKD)のリスク

私たちの生活において塩は重要な役割を果たしていますが、その摂取量が健康に与える影響についてはよく議論されてきたものです。

今回は、食事に塩を加える習慣と慢性腎臓病(CKD)のリスクについての研究です。

 

元論文はこちら→

Tang R, Kou M, Wang X, et al. Self-Reported Frequency of Adding Salt to Food and Risk of Incident Chronic Kidney Disease. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2349930. Published 2023 Dec 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.49930

 

研究では、465,288人の成人を対象に、食事への塩の添加頻度とCKD発症の関係を調査しました。

参加者は、「決して」「めったに」「時々」「通常」「常に」という5つのカテゴリーに分けられ、それぞれのグループでCKD発症率を比較しました。

結果は明確でした。

塩を「時々」「通常」「常に」加えるグループは、「決して」または「めったに」加えないグループに比べてCKDのリスクが有意に高かったのです。

この関係は、年齢、性別、BMI、身体活動レベルなど他の要因を考慮しても変わりませんでした。

さらに、この研究は、塩分摂取量と推定糸球体濾過率(eGFR)の関連性も調べています。

eGFRは腎機能の指標であり、これが低いほど腎臓病のリスクが高まります。

塩分摂取量が多い人では、eGFRが低下する傾向が見られ、これがCKDのリスクを増加させる可能性を示していました。

塩分摂取量が多いと、高血圧や心臓病のリスクが高まることは広く知られていますが、CKDへの直接的な影響についてはここまで明確に示されていませんでした。

この研究により、塩分を控えることが、CKDを予防する一つの方法であることが、改めて明らかになりました。

 

個々の生活習慣が健康に与える影響を理解することは、病気の予防と健康増進のための政策や勧告を策定する上で不可欠となります。

また、食生活の変化が長期的な健康へ与える影響を理解することは、私たち一人ひとりにとっても重要な知識となります。

この研究は、日常生活における塩分摂取の習慣が、改めて健康に大きな影響を与えることを示しました。

 

 

酒飲み用語としての「アルコール消毒」の真偽

お酒が好きな方々の間では、「アルコール消毒」という表現はよく使われますね。

これは「お酒を飲んで体内の病原体を消毒してしまおう」というユーモラスなたとえですが、このジョークを「根拠なし」と決めつけるのは早計のようです。

(もっとも、言っている本人も真面目に訴えているワケではないと思うのですが 笑)

 

元論文はこちら→

Tatsuomi Matsuoka, Kou Matsuoka, et al. A gastric acid condition enhances the microbial killing effect of ethanol. Microbiology Research International.Volume 9, Issue 2:P40-45

 

この研究は、人間の胃酸の条件下でエタノールが微生物に対してどのように作用するかを調査しました。

特に、土壌性原生動物コルポダ・ククルスの休眠嚢胞と、病原性細菌であるクレブシエラ・ニューモニアなどに注目しています。

胃酸は、pH 1~3の範囲で、非常に強い酸性を示します。

この酸性環境は、多くの微生物にとっては生存困難な条件を作り出します。

しかし、一部の微生物は、酸性条件に耐えうる能力を持っています。

そこで、研究者たちは、エタノールがこれらの酸耐性微生物にどのような影響を与えるかを調べました。

結果として、胃酸の低pH状態において、エタノールの濃度が20%以下であっても、微生物に対して有効な殺菌効果があることがわかりました。

つまり、食事時にアルコールを摂取することが、これらの病原体に対する防御手段となり得るというわけです。

しかし、ここでマジメにコメントしなくてはいけませんね。

もちろん、これを「アルコール消毒」と同一視することは危険です。

まず、アルコール消毒は通常、高濃度のエタノールを使用し、外部からの病原体を直接除去するものです。

一方で、飲酒による効果は、内部の微生物に対して限定的に作用します。

さらに、アルコールの過剰摂取は多くの健康リスクを伴います。

そのため、飲酒は適量に留め、健康的な生活習慣を維持することが重要です。

結局のところ、「アルコール消毒」という表現は、飲み会を開く景気づけだけにとどめておくべきで、その科学的根拠は限定的です。

健康を守るためには、飲酒による利点とリスクを十分理解し、バランス良く摂取することが肝心だということです。

 

ペットを飼うことと認知機能

私が中学から高校にかけて、家には小型犬がいました。

従姉弟が生後すぐに飼い始めたのですが、引っ越しなどが重なって私の家に引き取られたものです。

チェリーと名づけられたその犬に、私は何度も勝手な問わず語りをくりかえしたものです。

今日紹介する研究は、ペットを飼うことが50歳以上の人々の認知機能に与える影響について。

 

元論文はこちら→

Li Y, Wang W, Zhu L, et al. Pet Ownership, Living Alone, and Cognitive Decline Among Adults 50 Years and Older. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2349241. Published 2023 Dec 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.49241

 

論文の要点は次のとおりです。

・この研究は、50歳以上の成人のペットの飼育と認知機能の衰えとの関連を調査しました。

・研究対象は、2010年から2019年にかけての英国の縦断的コホート研究(English Longitudinal Study of Ageing)のデータを使用し、7945人の参加者を含みます。

・主な焦点は、語彙記憶と語彙流暢性の評価で、これらは認知機能の代理指標として使用されました。

・結果として、ペットを飼っている人は、そうでない人に比べて語彙記憶と語彙流暢性の衰えが遅いことが分かりました。この効果は、一人暮らしの高齢者に特に顕著でした。

・しかし、共に暮らす人がいるペットの飼い主と一人暮らしの非飼い主の間では、認知機能の衰えの速度に有意な差は見られませんでした。

 

共に暮らす人がいる場合は、ペットとの交流が希薄になるのでしょうか。

一人暮らしの人と変わりがないというのは、少し意外ですね。

  

この発見は、ペットが高齢者の精神的健康に及ぼす可能性のある肯定的な影響を示唆しています。

ペットとの交流が認知機能を刺激し、その衰えを遅らせる可能性があるわけですから。

特に、一人暮らしの高齢者の場合、ペットとの絆が社会的孤立感を軽減し、精神的なサポートを提供することが示唆されています。

これらの結果は、ペットが高齢者の生活の質を向上させる重要な役割を果たす可能性を浮き彫りにしています。

 

高齢者の意思決定をいかに尊重するか

今回は、高齢者の慢性腎不全の治療において、透析を標準治療とする現状に疑問を投じ、より人間中心のアプローチを提案する論文「高齢者のための共有意思決定:デフォルトとしての透析を超える」を紹介します。

 

元論文はこちら→

Saeed F, Schell JO. Shared Decision Making for Older Adults: Time to Move Beyond Dialysis as a Default. Ann Intern Med. 2023;176(1):129-130. doi:10.7326/M22-3431

この論文は、アメリカ医学会誌に掲載されたものです。

ここでは、高齢者の治療選択における共有意思決定(SDM)の重要性を強調し、透析以外の選択肢、特に保守的腎臓管理(CKM)の可能性を探求しています。

「共有意思決定(SDM)」と「保守的腎臓管理(CKM)」についての説明をしますね。

共有意思決定(SDM: Shared Decision Making)とは、医師と患者が共に情報を共有し、患者の価値観や希望に基づいて治療の方針を決定するプロセスのことを言います。

SDMでは、医師が医学的な情報を提供し、患者は自身の価値観や生活状況を考慮しながら治療選択を行います。

これによって、患者は自己の健康に対する責任を持ち、意思決定に参加することができます。

一方、保守的腎臓管理(CKM: Conservative Kidney Management)とは、進行性の腎臓病がある患者に対して、「透析をしない選択」を尊重し、症状のケアや残された時間における生活の質に焦点を当てた治療法のことを言います。

 

現在の医療システムでは、腎不全の高齢者に対して、「透析治療を導入すること」がなかば当然のようになってしまっています。

しかし、透析は生命を延ばす一方で、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。

CKMは、患者の価値観や目標に合ったケアを重視します。

 

この論文は、高齢者の腎臓病治療における透析以外の選択肢を検討し、患者の価値観に基づいた意思決定を促進するための新しい視点を提供しています。

 

「フレッシュスタート効果」

新しい年がはじまりました。

昨年の末頃から「年が明けたら運動をはじめよう」とか「新年になったらアレを目標にしよう」とか、静かな意気込みを燃やしていた方も多かったかも知れませんね。

順調なスタートが切れたでしょうか。

新年や誕生日などの特別な日が、私たちの心理的なスタート地点となり、過去の失敗からの距離を生み出し、新たな目標に向かって進む力を与えることが、科学的に証明されています。

これを「フレッシュスタート効果」というのだそうです。

 

元論文はこちら→

Dai H, Milkman KL, Riis J. Put Your Imperfections Behind You: Temporal Landmarks Spur Goal Initiation When They Signal New Beginnings. Psychol Sci. 2015;26(12):1927-1936. doi:10.1177/0956797615605818

 

この研究では、そうした「時間的ランドマーク」が、人々の自己評価や目標達成への取り組みにどのように影響を与えるかが検証されました。

時間的ランドマークとは、年初や誕生日のように、過去の自分と現在の自分を区別する重要な日のことです。

これらは、私たちに「新しい始まり」の感覚を与え、新たな目標に挑戦するモチベーションを高めます。

例えば、新年には多くの人がダイエットや運動、勉強などの新しい目標を設定します。

これは、新年が「新しい自分」をスタートさせる機会と捉えられるためです。

同様に、誕生日や仕事の記念日なども、自己改善の機会として機能することがわかっています。

この理論を裏付けるために行われた実験では、参加者たちが時間的ランドマークを意識することで、過去の失敗からの心理的な距離を作り、新しい目標達成に向けての取り組みが増加することが示されました。

「新しい自分になったつもり」になるのですね。

この発見は、私たちが目標を設定し、達成する過程で、時間的ランドマークを意識的に利用することの重要性を示しています。

新しい年、新しい月、あるいは新しい週が始まる時、私たちは新たな可能性に向けて一歩を踏み出す機会を得ます。

 

 

カロリー表示と健康志向

食べ物は私たちの活動のエネルギーとなり、身体をつくりあげていく重要なものです。

ですから、正確な食品表示は、私たちの食生活を豊かにし、安心をもたらす重要な要素となります。

例えば、レストランのメニューにあるカロリー表示。

単純に「美味しいもの」を選ぶのも良いのですが、自分にとってより健康を考えた食事を選ぶのは大切なポイントになります。

ここで、ファーストフードチェーンにおけるメニューラベリングの効果についての研究をみてみましょう。

カリフォルニアのタコベルで行われたこの研究は、メニューにカロリー表示が導入された後の購入行動に焦点を当てています。

 

元論文はこちら→

Rummo PE, Mijanovich T, Wu E, et al. Menu Labeling and Calories Purchased in Restaurants in a US National Fast Food Chain. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2346851. Published 2023 Dec 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.46851

 

研究では、2007年から2014年にかけての取引データが分析されました。

その結果、カリフォルニア州の店舗では、メニューラベリングが導入された後、平均して一回の取引あたり約24.7カロリー少なくなるという傾向が明らかになりました。

これは他の州と比較しても特徴的で、地域による影響の違いを示しています。

このデータは、消費者の選択に与える情報の影響を考える上で重要な指標となります。

メニューラベリングが導入されると、顧客はより健康的な選択をする傾向にあることが示されています。

しかし、この影響は地域によって異なることも重要です。

カリフォルニアのような州では効果が顕著ですが、他の州ではそうではないかもしれません。

この研究は、健康意識の高まりとともに、メニューラベリングがより一般的になる中で、消費者の選択に与える影響を理解する上で貴重な一例と言えます。

健康的な食生活を促進するためには、ただ情報を提供するだけでなく、地域の文化や習慣に合わせたアプローチが重要であることを、この研究は教えてくれます。