著者の田中ウルヴェ京さんはソウルオリンピックに出場し、シンクロ・デュエットで銅メダルを獲得した方です。
この本には「メンタルトレーナー」「コーピングコーチ」という肩書で紹介されています。
彼女にとって、彼女のメンター(恩師)であり、心理学者のデニス・ウェイトリー博士からの言葉が転機になったのだと言います。
「私たち人間にとって、本当に幸せな成功とは、自分のやりたいことを、人の利益のためにやることでしか得られないんだ。」
「成功とは他人のために自分のやりたいことをやる」
これを実現するための方法論、実践ガイドがこの「感謝日記」だと言えます。
扉にある「感謝日記の書き方」を抜粋します。
その1 今日の印象に残った出来事を書き留める
その2 そこで自分の感情を整理し、セルフトークに注目する
その3 必要あればセルフトークをプラスのものに置き換えてみる
その4 プラスに置き換えたことで、出来事に感謝しながら、同時に、今日、感謝したい人を思い出す
その5 その思いを忘れないうちに言語化する
その6 言語化することでさらに感情が整理される
その7 整理された感情で、より深い自分を新たに発見する
その8 さらに他人や状況に感謝ができる
「セルフトーク」がキーワードですね。
つぶやき、思いグセ、「感じ」や「受けとめ」の瞬間の心のひとりごとのことです。
ネガティブ・セルフトークとどうつきあっていくのか。
たくさんのヒントが述べられています。
認知行動療法やABC療法に通じるスキルなども紹介されています。
これは田中さん自身が実際に体験してきたことだからでしょう。
とても説得力がありますし、腑に落ちることが多いです。
1日5人への感謝日記。
それを習慣にするだけで、きっと幸せでしょうね。