台風12号の名前

台風12号(ハロラ)が沖縄北部にもたらした雨被害は中南部に住む私には想像すらできていませんでした。

「ちょっとだけ風が強いかな。雨も降らないね。」などと呑気に言っていたほどです。

けれども、本島北部は大雨のために通行止めの道路があったりと、被害が大きかったようですね。

 

ダム貯水率も、台風の通過後に確認すると今年初めて90%を超えていました。

90%を超えるのは、昨年の12月以来です。

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今年は7月までで12個の台風がきました。

台風11号(ナンカー)の次の台風は、本来なら「ソウデロア」という名前が割り当てられる予定でした。

けれども、後に台風12号となった熱帯低気圧はハワイ諸島周辺で発生し、ハワイの言葉で国際名「ハロラ」と命名されました。そして、そのまま発達すれば「ハリケーン・ハロラ」になるはずだったのです。

ところが、西に進んで日付変更線を越えたため、「越境台風」として台風12号となり、国際名は「ハロラ」をそのまま引き継いだということです。

越境台風が日本に上陸するコースをとるというのも、かなり珍しいことのようですね。

 

改めて見ると、ハロラは長いコースを進んできたのですね。先が読めない、難しい台風でした。

 
Halola 2015 track
 

在宅血液透析のスタート

以前に、多くの方に知ってもらいたいという想いから、クリニックで勉強会を開きました。対象者は関心がある方はどなたでもというオープンな勉強会です。

当院で「オーバーナイト透析」を始める前のお話です。

「長時間透析&オーバーナイト・在宅血液透析の勉強会&意見交換会」

少し長すぎるタイトルですね(笑)。

ただの講演会や説明会にはしたくなかったというのと、これから新しいものを作り上げていこうとする「チームづくり」をねらってのことでした。

つい最近の気がしていたのですが、記録を見ると2013年6月と8月です。いつの間にか、もう2年が経過してしまっていたのですね。

第1回の勉強会の様子は地元の新聞に取り上げてもらいました。

「夜間透析、県内で模索」(琉球新報 2013年6月17日)

「夜通し透析 高い治療効果 今秋、県内で初導入」(沖縄タイムス 2013年6月18日)

この勉強会&意見交換会が足がかりとなって機運が盛り上がったと思います。何人かが手をあげてくれて2回目の勉強会から2ヶ月経った10月にオーバーナイト透析がスタートしました。

 

そして、今度はこの8月から私たちクリニックでもいよいよ「在宅血液透析」がスタートします。

正直なところ、在宅血液透析は沖縄県でも2例目なので、まだまだ模索しながらということになります。

 

彼には在宅血液透析が沖縄でも普及するように力を貸して欲しいとお願いしました。

そして、快く承知してくれたのがとても嬉しかったですし、心強く感じました。

これからやることが山積みです。でもチームで動きます。それが楽しくて嬉しいのです。

 

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台風の影響

この台風12号(ハロラ)の影響で、県内の多くの週末のイベントが中止になったというお話を聞きました。

あるいは、学会などの出張をやむなく断念したという方もいらっしゃるようです。

天候を見ながら当日に決定するということでなければ、昨日のうちに早めの決断が必要になってきます。

 

台風12号(ハロラ)は、沖縄に近づくにつれて北に西にジグザグ走行しながら、しかも速度をゆっくりめにしてきました。

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今日の透析ができるだろうか?

安全にクリニックまで来てもらえるだろうか?

なかには足腰の弱い方もいます。そういう方が風で転んだりしないだろうか。

心配しながら、朝の空を見上げました。

 

すでに強風域に入っているようでしたが、曇っていますが幸いに風はまだ強くないようです。

雨もまだ降っていません。

今日一日、天気がもってくれるといいなと祈るばかりです。

 

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台風12号(ハロラ)

油断をしていたわけではないのですが、台風12号(ハロラ)が今日の夜から沖縄に接近する見込みです。

今現在の中心の気圧が955hPaですから、強い台風ですね。

 

気象衛星の写真(赤外線)では、台風の目ははっきりしませんが、東側の雨雲が大きく発達していきそうです。

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この台風は一度熱帯低気圧にまで勢力を落とした後に、再び台風に勢力を回復させたり、当初からその動向の予想が困難でした。

下の図は台風進路予想図を重ね合わせたものですが、北上するタイミングがことごとく西へ西へと流れていっているのがおわかりでしょうか。

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この間の大雨で地盤が弱くなった地域もあり、この台風の影響が心配されるところです。

 

今日はオーバーナイト透析の皆さんには無理をいって前倒しで昼間の透析に入ってもらうことにしました。

夜にはいって風が強くなることが予想されるためです。

いつもそうですが、快くご協力をいただいたことに感謝です。

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「いのち、光るとき」

「いのち、光るとき」という書籍を予約注文していて、先日届きました。

 

 「いのち、光るとき」 本間りえ著

 

出版社からの紹介のコメントを抜粋します。

6歳まで元気に走り回っていた我が子に、ある日異変が起こった。異常な行動をとりはじめた原因は、ALDという耳慣れない稀少難病だった。
男性しか発症しないという遺伝子の疾患で、しかもその原因は母親の持っている遺伝子にあるという。医師からは発症から2年以内で亡くなることがほとんどだと聞かされた母は、まさに地獄の底へ突き落とされた。
深い悲しみと絶望の中で、我が子を抱きかかえ、途方に暮れる日々を送るしかなかった。そんなある日、心労が重なった母は自動車事故に遭ってしまい……。
絶望の淵から20年、難病の我が子と家族の絆を詠んだ50篇の詩は、読む者のこころに大きな勇気をもたらすことだろう。

 

この本を読むと勇気と元気が湧いてきます。

想像を超えるようなあらゆる苦難の状況があったことでしょう。本に書けないような心の葛藤もあったと思います。

 

交通事故にあったときの心情を表現した詩がこれです

 

つきぬけるほど介護したら

死にたくなった

とにかく疲れきっていた

交通事故にあった

奇跡的に生きていた

私にまともな感情がもどった時

君の顔をまっすぐにみた

君の瞳は「僕は生きていたい」といった

お母さんも「一緒に生きていたい」と叫んだ

 

 

どんな状況にあっても前向きな気持ちで試練に立ち向かう筆者の姿は、私たち一人ひとりを力強くさわやかに励ましてくれます。

例えば、こんな詩があります。

 

〈もがき〉

 

この世に生まれ

今を生きていられるのには

みな役割がある

 

一生をかけて

生きている役割に気がつく人と

気がつかないまま人生を終える人

 

気がついた人は

もがく

 

もがいて もがくからこそ

喜びや感謝がみえてくる
もがいて もがいて 気がつく人生を

私は選んだのだ

 

 

この本を読んで、今日一日をしっかりと生きようと思いました。多くの人に読んでほしい本です。

ダム貯水率ウォッチング

台風による雨と月曜日からの大雨でダム貯水率の回復に期待していました。

すると、グラフの曲線はぐぐっと急上昇し、7月20日71.7%だったのが、21日には84.4%

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7月21日の平年値である79.1%を軽く超えて、ついには86.4%!

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もちろん節水はこれからも必要ですが、少し安心しました。

 

しかし、これだけの雨量が短期間に降り注いだのですから、各地の被害も心配になります。

まだ不安定な天気が続くようですから、気をつけたいものです。

 

ビジョンについて

私にとって、ビジョンとは「実現できると信じている想いの姿かたち」と言えます。

「想い」を発信することで共感が集まり、応援してくれる人々が現れてくれました。

ですから、私が使うビジョンという言葉は「計画」や「達成目標」という意味合いは比較的薄いと言えます。

望ましい未来のイメージのことを言っていますし、ビジョンについて語る時、行動を起こすエネルギーが湧いてきます。

そう。私のビジョンはヒトによっては酒の肴になります(笑)。

 

そういえば、ビジョンには物語があると言った方がありました。

ビジョンがその人の中から生まれた物語。

そのビジョンに賛同して行動をともにしてくれた人たちの物語。

その人たちの背景にある物語。

ビジョンが実現するまでと実現したときの物語。

 

そして、物語は共有されていくものですね。

ソフトバンクの孫正義さんが、こんなことを言っていました。

「僕はもちろん政治家でもないし、そういうポジションでもないけれど、せめて1つの事例をつくってみたい。

1つの事例をつくることが、その小石が波紋を呼んで、刺激を受ける会社が1社でも10社でもあれば、それが1つの社会貢献だと僕は思っている。」

小石の物語が、いろいろなインスピレーションを引き出して、その気にさせて、また多くの物語が語られる。

そんなビジョンが持てれば、そんな楽しいことはないと思うのです。

 

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大洪水の伝説 ギリシア神話から

世界には当時の文明を絶滅させる大洪水の伝説が無数に存在しています。

共通しているのは、驕り高ぶった人類に神々が怒り、天誅として大洪水を引き起こすというものです。

伝説のパターンとしては、洪水でほとんどの人類が絶滅、少数の人が助かり、水が引いた後に生存者の子孫が現在の人類となるという内容です。

旧約聖書の「ノアの箱船」やインド神話、そしてギリシア神話の大洪水などもそうですし、また沖縄にも八重山地方の鳩間島を始めとして各地に洪水神話が存在しています。

 

今回はギリシャ神話の「デウカリオンの大洪水」のお話を紹介しますね。

ゼウスは争いを繰り返す人間に嫌気をさし、大洪水を引き起こしました。多くの人類が滅んでいく中、デウカリオンとピュラの夫婦は無事でした。

デウカリオンは人類の守護者プロメテウスの子で、ピュラはその弟エピメテウスの娘でした。

夫婦はあらかじめプロメテウスから洪水が起こることを知らされていたため、箱船をつくり、それに食糧などを積み込んで準備していたのでした。

洪水は9日間続き、箱船は漂流の末パルナッソス山に流れ着きました。

夫婦は女神テミスに人類の再生を願いました。やがて「母の骨を歩きながら背後に投げよ」という神託がくだりました。

そこでふたりは、母なる大地の骨である石を投げました。

デウカリオンが投げた石からは男が、ピュラが投げた石からは女が生まれました。

 

Giovanni Maria Bottalla - Deucalião e Pirra

「その人らしく」ということ

私たちクリニックの合い言葉(モットー)は、「いつでも どこでも その人らしく」です。

これを打ち出したのは他ならぬ私なのですが、実は「その人らしさ」については今もモヤモヤとした消化不良の感が拭えない気がしています。

 

例えば、誰かに「そういうところがあなたらしい」と言われたとします。

「え?そう?」と思わぬ評価にたじろいだことも少なくないのではないでしょうか。

「この人は『あなたらしい』と言ったけど、自分のことをどう思っているんだろう?何を理解しているのだろう?決めつけてほしくないんだけど。」

実は「その人らしさ」というのは第三者が受ける表面的な印象で語られることが多い気がしています。もしかしたら、本人さえも周りの評価を鵜呑みにして、自分らしいと勘違いしているケースもあるかも知れません。

 

ここで「その人らしさ」を原点に戻って考えてみましょう。

「その人らしさ」というのは、その人が「自分らしくあるということ」ですね。

「自分らしくある」とは、例えば、自分らしい言葉遣い、自分らしい仕草、自分らしいファッション、自分らしいライフスタイルなど、それこそ一瞬一瞬の場面や状況に「自分らしさ」が出てくるものです。

それは強引に言い換えれば「自分が大切にしてきたものを大切にして生きていること」と言えないでしょうか。

それは、「自分が価値があると思ったものをその都度選んできたこと。」

さらに言えば、「自分で自分の価値を感じていられること。」

そういうことを周りから尊重されていることが「その人らしさ」じゃないかなと思うのです。

 

ただし、この「自分らしくある」ことが難しいのですよね。

第三者に「あの人は冗談好きだから」とか「何か言うと、すぐに怒るよね」とかのレッテルが、その人の価値とも思えませんし、尊重されるものでもありません。

「自分らしくある」ためには、自分が大切にしてきたもの、あるいはこれから大切にしたいものが何なのかを、自分の内側に絶えず問いかけ続けなければならないのです。

レッテル貼りに負けずに、いつも自分の心をつかんでいなければなりません。

自分は本当には何がしたいのか。何を求めているのか。本当の願いは何なのか。

それらを省略した「その人らしさ」は、語られようがない気がしています。

 

 

「自分自身に」

詩人の言葉は、「人の心には共通の通奏低音が流れているのだ」と、静かに諭してくれます。

私だけが感じる寂しさや悲しさ、そして恥ずかしささえも、実はそうではないんだよ、みんなだよと教えてくれます。

吉野弘さんの詩には、そんなところがあります。

「自分自身に」という詩は、特にそうです。そして、「気恥ずかし」いけれど、「まだひらく花」だと思う後押しをしてもらいました。

 

自分自身に

 

他人を励ますことはできても

自分を励ますことは難しい

だから―――というべきか

しかし―――というべきか

自分がまだひらく花だと

思える間はそう思うがいい

すこしの気恥ずかしさに耐え

すこしの無理をしてでも

淡い賑やかさのなかに

自分を遊ばせておくがいい

 

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