「笑顔のこころ十か条」

お正月で親戚回りをしていたら、おばさんの家の客間に「笑顔のこころ十か条」という貼り紙がしてあるのに気づきました。

お正月らしく、明るい気持ちになりましたので、ご紹介しますね。

 

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一 「はい」「すみません」と 素直に言える笑顔のこころ

二 「あなたのおかげです」と 感謝のできる笑顔のこころ

三 「はい、努力します」と 前向きに言える笑顔のこころ

四 「よかったですね」と ほほえみあえる笑顔のこころ

五 「お願いします」と 信じて言える笑顔のこころ

六 「会えてよかった」と 感動できる笑顔のこころ

七 「一歩、一歩」と 励まし合える笑顔のこころ

八 「頑張りましょう」と 明るく言える笑顔のこころ

九 「心をこめて」と 謙虚に言える笑顔のこころ

十 「ありがとうございます」と 常に言える笑顔のこころ

 

 

「結果を出し続けるために」 羽生善治

元旦の夜はオーバーナイト透析でクリニックで宿直していました。

読み始めた本が面白くて、つい夜更かしをしてしまっていました。

 
  結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則) 羽生 善治著

 
もちろん皆が知っている将棋の名人・羽生善治さんの著書です。

想像を絶する勝負の世界を生き、常に結果を求められている彼の言葉には重みがあります。

しかし、決して観念論ではなく理路整然とお話をすすめていくあたりはさすがだと思いました。

人間としても円熟期を迎えているのでしょう。

 

その羽生名人は、次の3つが大切だと指摘します。

1)ツキと運にとらわれない最善手の決め方

2)プレッシャーとの付き合い方

3)ミスへの対応の仕方

 

 

特にミスへの対応の仕方には参考になりました。

 
〈1〉まず一呼吸おくこと

〈2〉現在に集中すること

〈3〉優劣の判断を冷静に行うこと

〈4〉能力を発揮する機会だととらえること

〈5〉すべてに完璧さを求めないこと。自分の可能性を広げるチャンスだと、とらえること

 

 

羽生名人は色紙などに「玲瓏」(れいろう)という言葉を書くことが多いのだそうです。

玲瓏とは「八面玲瓏」という四字熟語からきている言葉だそうです。

「まっさらな気持ちですとか、あるいは雲一つないような快晴の景色とか、そういうようなことを表しているという意味ですね。」

どんなに競った勝負の局面でも、その境地でいられたら理想だと言うのです。

 

「人は、ふつうに続けられることしか続かない」

「才能とは、続けること」

「成功」とは、自分のやりたいことと周囲の期待が一致すること

今いる場所や集まりと、自分が調和するためには「周りを裏切らないこと」「自分を裏切らないこと」

 

元旦に読むには元気がでるようなふさわしい本だったと思います。

自分を裏切らない1年にしたいと思いました。

 

「ひこうかばん」 アンデルセン

童話には、そこに込められたメッセージがありますね。

時には人々を導く教訓だったり、戒めだったりします。

古典といわれている童話の、そのメッセージの伝え方は、よりシンプルでストレートなものが多いですね。

例えば、主人公の「浅はかさ」を戒めるお話などは、古今東西に多く見られる気がします。

 

ハンス・クリスティアン・アンデルセンの「ひこうかばん」などはその典型でしょう。

全文は青空文庫で読むことができます。 こちら → 「ひこうかばん」

 

ここでは、あらすじをご紹介します。

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裕福な家庭に生まれた息子がいました。

この息子は大金持ちの親が死んだことで莫大な遺産を手にすることとなりましたが、働くこともなく、手にした大金で好き放題散財する日々をおくりました。

こうした生活を続けたことで結局持っていたお金はほとんどなくなってしまいます。

お金がなくなると、友人もまわりからいなくなり、どうしたものかと考えているとき、1人だけ息子に声をかけてくれた親切な友人がいました。

息子はその友人からカバンをもらいました。

しかし、カバンに入れるものをなにも持っていなかった息子は、しかたなく自分がそのなかに入ることにしました。

すると、不思議なことにカバンは空に舞い上がったのです。

息子はカバンに乗ってトルコまで飛んで行きました。

トルコでは、予言によりお城から出られない姫がいることを知り、息子はカバンに乗って姫の部屋まで行くことにしました。

姫の部屋にたどりついた息子は、姫と意気投合し、息子は姫の親(王)に紹介されることになりました。

そして、姫の親と会った目に息子が面白い話しをしたことで、王と后は息子を気に入り姫との結婚を許されたのです。

結婚式の前日に、息子はカバンに乗ってトルコの街中の夜空に花火を鳴らしました。

この出来事を人々は驚きと喜びで受け入れ、姫の婿になる息子を歓迎しました。

その夜、息子は町に出るためにカバンを森に置いておくことにしました。

ところが、町から息子が森に戻ると、のこった花火の火がついてしまいカバンがまる焼けになって灰になってしまっていたのです。

息子はもう空を飛ぶことができないためお城にも行けなくなってしまいました。

そんなことを知らない姫は、いつまでも息子がカバンに乗ってやって来るのを待ち続けているのでした。

 

 

裕福な息子は、持っていたお金が底をついた時、「なぜそうなったのか」ということを反省するヒマを与えられずに救いの手が差し伸べられてしまいます。

なぜかその窮地を友だちが「ひこうかばん」を贈って救ってくれるのです。

息子は思いつきのままに行動し、それは一見派手で万人受けします。入れるものがないからと、自分をかばんに入れる…なんて、息子だから思いついたことだとも言えます。

かばんに入らなければ、このかばんの機能は埋もれたままだったでしょうから。

 

けれども、アンデルセンは、それを良しとはしませんでした。

「そうそう与えられたラッキーで、幸せが続くものではない。」

「チャンスをものにしたければ、思慮深くなければならない。」

 

この童話に込められたメッセージはいろいろあるのでしょうが、私はこの息子のパフォーマンスは好きかも知れません。

「ばかだなあ」と思いながら、どこか共感してしまっている自分を発見します。

 

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

 

昨年はたくさんの方々に助力をいただき、誠にありがとうございました。

今年も、地域医療に少しでも貢献できるよう精進していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

皆様の御多幸を祈願して、ご挨拶とさせていただきます。

 

 

2016年元旦

 

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今年もありがとうございました。

今年も暮れようとしています。

昨日は外来の最終日でした。

透析室は大晦日も元旦もありませんが、気持ちのうえでは区切りをつけたいと思っています。

 

2015年はクリニックにとっても、いろいろなことがありました。

試練を迎えるたびに、願いが浮き彫りになるような1年だったと思います。

 

そして今年もまた、たくさんの失敗をしました。

それらの失敗を素直に振り返る謙虚さを持ちたいと思います。

そのためにも、自分を厳しく見つめる向上心を磨きたいと思います。

 

たくさんの方に導かれ、支えられて今年も無事に過ごすことができました。

皆様の助力が、どれだけ私たちを救ってくれたか知れません。

ありがとうございます。

 

来年は、少しでも社会に還元できるように、日々精進していきたいと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いします。

 

 

動く錯視

Motion-induced blindness (MIB:運動誘発盲)という現象があるのだそうです。

この現象は、イスラエルのYoram S. Bonnehという学者が2001年にNatureに発表しました。

 
Motion-induced blindness in normal observers

Yoram S. Bonneh ,  Alexander Cooperman  &  Dov Sagi

Nature 411, 798?801 (14 June 2001)

 

下のYouTubeの動画をごらんください。実際に体験できるようになっています。

画像の真ん中にある赤と青に点滅する点に集中していると、ある瞬間に3つの黄色い点が消えてしまいます。

「あれ」と思って、よそ見をするとちゃんとそこにありますから、真ん中の点に集中している時だけ見えなくなるのがわかります。

 

 

こういう状況って、実際にはどんな場合が想定されるのでしょう。

GIF画像がありました。中心から一番遠い、黄色いメガネケース(?)がよく消えるようです。

 

中華料理のテーブルで、こういうことが起こるかもですね。

 

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慢性腎臓病(CKD)を知る県民講座開催のお知らせ

新聞広告にも出ていましたから、ご存知の方も多いかも知れませんね。

 

来年1月17日(日)に沖腎協主催のCKD県民講座を開催します。

開演は13:30(13:00開場)

場所は国立劇場おきなわです。

 

私も講師として参加します。

そのほか、パネリストによるパネルディスカッションも行う予定とのことです。

 

皆様のご参加お待ちしております。

ポスター

 

<問い合せ先>

一般社団法人 沖縄県腎臓病協議会

TEL / FAX 098-887-0201

営業日 9:00~16:00(月~金曜日)

正しい言葉

日頃から正しい言葉を使うようにしたいものです。

私が小学生の頃には「道徳」の時間に、先生から何度も教えてもらった記憶があります。

 

正しい言葉とはどんな言葉をいうのでしょうか。

8マインドフル・ステップス  バンテ・H・グナラタナ著

この本では、こんなふうに説明があります。

 

嘘をつかず、常に正直であること。

悪意のある話や悪口を言わず、仲よくさせる言葉を使うこと。

粗暴でひどい言葉を使わず、穏やかであること。

意味のない無駄話をするのではなく、適切な話をすること。

 

善き友を持ちたければ、善き友をどこかに探すのではなく、自分が他人にとって善き友になるようにすることだ、ともありました。

青い鳥を探して世界中を旅をするけれど、結局は自分の家にいたというのと同じことかも知れませんね。

 

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まだ間に合います

例年にも増して暖かい日が続いたからでしょうか。

昨年よりもインフルエンザ・ワクチンの予防接種を希望する方が少ないような印象です。

 

あるいは、ワクチン株が4価になり、値段が高くなったというのもあるのでしょうか。

 

以前に、このブログで集団免疫の力についてのTEDのプレゼンを紹介しました。→ こちら「集団免疫の力」

小さな子どもや高齢者など、免疫力の弱い方達を守るのは、この集団免疫の力です。

「私は大丈夫」ではなく、自分自身はもちろん、それと私たちの住むコミュニティを守るために予防接種をしませんか?

 

最寄りの医療機関で、インフルエンザ・ワクチンの予防接種を受けるようにしましょう。

さくだ内科クリニックでも受け付けております。

 

例年、成人の日前後からインフルエンザの罹患者が増えてきます。

今ならまだ間に合います。

 

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苦しみについて 「預言者」より

外来で診療をしていると、どんな方にもその病気以外にも、悩み、悲しみがあることがわかります。

表面では明るく、冗談で場を盛り上げていたりする方でも、実は人に言えない苦しみを背負っていたということはよくあることです。

 

私たちのクリニックの理念に次の一文があります。

「そこに行けば元気になり、未来に希望が見えてくる」

なんて大それたことを入れてしまったのかと時々後悔することもありますが、けれども、すぐには達成できない大切なことだからこそ、私たちにはこの目標が必要なのだと思っています。

 

カリール・ジブラン原著の「預言者」という本があります。以前にも紹介しましたが、柳澤桂子さんが訳してくださいました。

 よく生きる智慧 柳澤桂子著

この中に「苦しみについて」という章があります。

苦しみについて学ぼうとするとき、大変心に響く文章だと思いました。

 

一人の女性がいいました。「苦しみのことを語ってください」するとかれはいいました。

 

 あなたの苦しみとは、

 理解を包んでいる殻がこわれることだ。

 新芽が太陽を浴びるため種をやぶらなければならないように、

 あなたも苦しみを知らなければならない。

 あなたのこころが

 日々の奇跡に新鮮な驚きを感じつづけることができるなら、

 あなたの苦しみも喜びとおなじくらい

 すばらしいものとなるだろう。

 そうすれば、ちょうど畑の上に来たり過ぎ去る季節を

 いつも受け入れてきたように、

 あなたはこころのなかに流れゆく季節を

 受け入れることができる。

 そして悲しみの冬のあいだも、

 落ちついて過ごすことができるだろう。

 あなたの苦しみの多くは自分で選んだものだ。

 苦しみとは、あなたのなかにいる医者が

 悩んでいるあなた自身を癒すために処方したにがい薬だ。

 その医者を信頼し、黙って穏やかな気持ちで

 その治療薬を飲みなさい。

 あなたの医者の手は重くてごつごつしているが、

 見えないものの優しい手に導かれているのだから。

 彼が差し出した杯は唇を焼くかもしれないが、

 それは神である陶工が

 自らの聖なる涙でぬらした土でつくられたものなのだ。

 

「自分の中にいる医者が、病んでいる自分自身を癒すために処方したにがい薬が、苦しみである。」

苦しみに救いの手がさし伸ばされたような、そんな感覚がしました。