「まんが日本昔ばなし」に「地獄のあばれもの」というお話があります。
ある年、日照りが続き、飢饉や疫病で多くの人々が亡くなるということがありました。
その中に医者と山伏、鍛冶屋がおりました。
あの世では、閻魔大王が極楽行きか、地獄行きかを決めるのですが、3人はそれぞれに「生前人助けをした」と主張するのですが、閻魔大王はそれを却下し地獄行きを命令します。
地獄の鬼たちに連れてこられた3人は、剣がにょきにょき生えている山を歩けと言われます。
「ここはおいらにまかせとけ」
鍛冶屋はそういって剣をぽきっと折り、鉄のわらじをつくってしまいます。
3人は鉄のわらじを履いて剣の山を登っていきます。剣は面白いようにポキンポキンと折れて、道ができました。
それを知った閻魔大王は怒り狂い、鬼たちに3人を釜茹でにするように命令しました。
すると今度は山伏が、「ここは、わたしにまかせなされ。自慢の法力を見せてくれる」と、呪文(じゅもん)をとなえてぬるま湯にしてしまいました。
それを知った閻魔大王は、さらに怒り、今度は3人を自分の口の中に放り込んでしまいました。
胃の中で消化されて体が溶けそうになった3人でしたが、今度は医者が「体のとけぬ薬を作ったで、飲んでみなされ」と薬を調合しました。
閻魔大王の体内で「笑いのひも」「泣きのひも」をひっぱっては3人はおもしろがっています。
「さて、そろそろ下し薬を塗って、外へ出よう。」
3人は閻魔大王のお尻から飛び出してきました。
「よくも、わしに恥をかかせたな。お前たちは、地獄におる資格もないわい! とっととしゃばへもどれっ!」と、三人を地上へ吹き飛ばしてしまいました。
それから三人は、いつまでも仲良く暮らしたという事です。
落語みたいな話だなと思っていたら、勉強不足でした。
上方落語に「地獄八景亡者戯』(じごくばっけいもうじゃのたわむれ」がありました。
3代目 桂米朝が十八番にしていたそうです。
https://youtu.be/EqUP1JOJy6I