読んでから観る…

日曜日にFM沖縄の「スクリーンへの招待」を聞いていたら、公開中の映画「64」の話が出ていました。

なかなか評判が良いようですね。

リスナーの感想はネタバレにならぬように気を遣いながら、感動が十分に伝わる内容でした。

 

角川映画のキャッチフレーズに「読んでから見るか、見てから読むか」というのがありましたが、私としては久しぶりにこの葛藤に揺れ動いた作品です。

「64」は、2012年「週間文春ミステリーベスト10」や2013年「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得した作品です。

昭和64年に発生した未解決の少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」に挑む、かつては刑事部の刑事、現在は警務部の広報官の主人公、三上を軸にしたミステリーです。

さんざん迷いましたが、やはり誘惑には勝てず、本を読むことにしました。

 64(ロクヨン) 横山 秀夫著

 

迷ったというのは、読んでしまうと映画を観ないかも知れないという自分の性格を知っているからです。

例えば「舟を編む」がそうでした。

本を読むというのは、登場人物や風景を頭の中で描いて追体験するということです。

イメージを壊したくない…という気持ちはあまりありませんが、本で体験したことの「置き換えて保存する」ことの方が残念な気がしています。

でも今回は、映画も観てしまうかも知れないと思いました。どう描いているのか興味があるからです。

 

https://youtu.be/zY54BvPj9Ak

 

 

 

第2回在宅血液透析ゆんたく会のお知らせ

来週の土曜日、5月28日に第2回在宅血液透析ゆんたく会が開催されます。

今回の対象は、残念ながら医療者のみですが、より多くの方が参加していただけるようにと願っています。

今回は滋賀県の医療法人社団富田クリニックから臨床工学技士長の畠山岳士先生と本院院長の一色啓二先生を招聘しています。

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当院では既におふたりの方が、それぞれのライフスタイルにあった在宅血液透析を施行していますが、沖縄県全体でみればまだまだ経験の浅い分野です。

多くの透析医療者が関心を持っていただけたらと思います。

 

 

沖縄県の梅雨入り

昨日、油断をして気象庁の梅雨入りの発表を聞き逃してしまっていました。

ほとんど1日を診察室に閉じこもっている状態ですので「あれ。雨、降ってたんだ」にはじまり、おそらく院内の誰よりも遅くに梅雨入りしたことを知りました。

 

5月16日、沖縄地方と奄美地方が梅雨入りしたのですね。

平年よりも7日遅く、昨年よりも4日早いようです。

スクリーンショット 2016-05-16 22.52.00

ご記憶に新しいように、昨年はこの時期、雨が降らず、ダム貯水率がまっすぐに下降線を描いていた時期です。

下のグラフの緑色の線が昨年。昨年5月16日は貯水率が52.9%。さらに下降して5月24日には50.6%が最低値を記録しました。

そして赤色が今年です。きのうの時点で98.0%です。

梅雨入りしたばかりで98.0%ですから、少し手加減してもらってちょうど良いぐらいかも知れません。

 

梅雨期には大雨による被害が心配です。

スクリーンショット 2016-05-16 22.53.33

 

 

 

 

琉球ゴールデンキングス優勝

昨日は、ちょうど散髪をしている時にテレビで試合を見ました。

散髪中だったので、残念ながらメガネをはずした状態での観戦でしたから、細かいプレーは分かりませんでしたが、優位に試合がすすんでいっているのは分かりました。

 

本当に素晴らしいことです。日本一。おめでとうございます。

bjリーグが最後の年に優勝できたというのは、本当に素晴らしいことですね。

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viewer.okinawatimes.co.jp - print

 

 

「カード遊びをする人々」

フランスの印象派画家ポール・セザンヌが描いた油絵「カード遊びをする人々」は、構図のパターンが複数ある絵です。

どれも決して華美でなく、シンプルで、絵の鑑賞者も登場人物たちのカードプレイを邪魔したくない思いに駆られます。

 

これらの絵には声をあげるようなドラマチックな展開を期待するような雰囲気もありません。

淡々とカードをめくり、自分の手札を改めるだけです。

興奮も喧騒もなく、もしかしたらプレイヤーたちは相手のことすら視野に入っていないのかも知れません。

祈りにも似た静寂さが特徴的です。

男たちはカードを持たず、教会の中にいるとしても不思議でないたたずまいです。

 

カードを扱っているというだけで、私は好きです(笑)。

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Card_Players-Paul_Cezanne

 

 

イソップ物語「雄牛とヤギ」 と ピージャーオーラサイ

イソップ物語に「雄牛とヤギ」というタイトルのお話があります。

こんなお話です。

 

ライオンに追いかけられた雄牛が、ようやくのことで洞穴を見つけて逃げ入ってきました。

そこにたまたま一匹の山羊が先に入っていて、雄牛が洞穴の中に入った途端に、頭を低くして2つの角でつきかかってきました。

ライオンが洞穴の外でまだうろついているので、雄牛は山羊のされるがままにおとなしくしているしかありませんでした。

雄牛は静かな声で、山羊に言いました。

「気のすむまでつくがいい。お前の卑怯なやり方に黙っているのは、お前を恐れているからではないのだ。怖いのはライオンだけだ。あの化け物が行ってしまったら、お前に山羊と牛ではどちらが強いか思い知らせてやるからな。」

 

このお話の教訓は「他の人の苦しみにつけいるのは良くないことだ。」だそうです。

ヤギは、逃げてきた雄牛に対してつきかかっていくのではなく、弱者同士、牛と力をあわせるべきだったのだということなのでしょう。

でも、特に沖縄の人間はヤギの実力も知っているので、心情的に素直にこの物語からこの教訓を得るのは簡単なことではない気がしています。

雄牛は本気を出さないと、ヤギにやられてしまうのではないかという心配です。だから、どこかモヤモヤとした感じが、この物語には残ってしまいます。

ピージャーオーラサイの様子を見ると、雄牛もヤギに対して決して油断できないと思うのです。

 

https://youtu.be/CQV1n7N9_4E

 

ナゴラン(名護蘭)

実家に顔を出した時に、母が「いいものを見せようか」と家の裏に案内してくれました。

辺り一面にとても強い香りがしていたので、「いい香りだね。何かの花?」と問うと、「そう。これ。ナゴランだよ。」と教えてくれました。

 

ナゴランは沖縄自生の蘭で、愛好家も多いと聞きます。

花が咲くのが5月から6月ということですから、まさしくこの時期なのでしょう。

芳香剤をまき散らしたような、素敵な香りがしていました。

 

蘭を育てたことがないので、実は通じていないのかも知れませんが、母の嬉しそうでちょっと自慢気な表情で何となくその価値を推し量ることができました。

 

 

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100分de名著 「歎異抄」

4月の100分de名著は「歎異抄」を取り扱ったようです。

後で知って、興味があってテキストを買い求めました。

NHK 100分 de 名著 2016年 4月 『歎異抄』  釈徹宗著

 

「歎異抄」の名称は、「異義を歎く」というところから来ているのだそうです。

親鸞が亡くなった後に、師の教えとは異なる解釈が広まっていることを歎いた弟子の唯円が、親鸞の真意を伝えようと書き記した書物なのだそうです。

 

テキストを書いた釈徹宗さんがこう呼びかけています。

「できれば、「歎異抄」は声に出して読んでもらいたいと思います。たとえ内容がよくわからなくても、声に出してみる。」

「宗教の言葉というのは、本来は「語り」のなかにあります。」

「「聖書」や「クルアーン」にも同様のことが言えますが、繰り返し声に出して唱えるうちに、書かれたことが身体に蓄積されていきます。」

「そうすると、生きていくなかで、たとえば絶対絶命のピンチに陥ったと感じる瞬間、宗教の言葉が浮上してきて私たちを助けてくれるのです。」

 

歎異抄には常識を覆すような言葉が繰り返されているのだと言います。

「善人なをもて往生をとぐ…」という言葉に代表されるように、信仰のパラドックスをつきつけてきます。

自己の善の否定。偽善への嫌悪。

「いいカッコしたいだけじゃないの?」

中二病のようなどす黒い情念の塊を、人は心の奥にしまいこんでいます。そういう私がそうです。

これを隠すことなくさらけ出す潔い決意を感じました。それに勇気づけられるのです。

 

今回、入手したのはこのテキストでしたが、近いうちに「歎異抄」そのものを手にとって、じっくりと読んでみたいと思いました。

 

春の熱中症に注意しましょう!

昨日、熱中症で救急搬送された方の人数が多く、注意を呼びかけるニュースを聞きました。

 

総務省消防庁の発表した緊急搬送人員数が以下の通りです。(消防庁 熱中症情報サイトより)

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暑熱環境に慣れていない今の時期、実は熱中症の発生しやすい季節とも言えます。

 

熱中症予防には環境省が熱中症予防サイトで暑さ指数(WBGT)を発表しています。

例えば、明日12日の沖縄県の暑さ指数では各地域で警戒から厳重警戒、大東島では危険のレベルが予想されています。

WBGT

 

熱中症には以下の3つの要因がからんでくると言われています。

環境

からだ

行動

 

「環境」

気温が高い

日差しが強い

湿度が高い

風が弱い

急に熱くなった

閉め切った部屋の中

 

「からだ」

下痢や風邪などで脱水状態になっている

二日酔いや寝不足

疲れがとれていなくて無理をしている

 

「行動」

長時間の屋外作業

激しい筋肉運動や長時間の慣れない運動

水分補給できない状況

 

そういう状況の中では、汗や皮膚温度で体温調整ができずに体温がどんどん上昇していき熱中症を引き起こしてしまいます。

 

予防策としては

決して無理をしないこと

室内でも油断しないこと

涼しい服装を心がけること

日傘や帽子を着用すること

日陰を利用すること

そして、水分と塩分を補給すること

睡眠をよくとって体調を良くすること

 

 

お互いに声をかけあって、熱中症の予防に心がけたいものです。

特に咽喉が渇いてから水分を補給するのでは遅いです。

咽喉が渇かないように水分を補給するのが、正しい補給の仕方です。

 

 

「犬のことば辞典」

人に「これは哲学かも知れない」と薦められて読んでみたのですが、何度読んでも飽きません。

確かに、とても面白くて考えさせられる辞典です。

 

犬のことば辞典 きたやまようこ著 ポチ監修

 

例えば、【あまえる】の項

あまえると 犬と 子どもは からだを

おしつける。

大人は いろんなものを おしつける。

たとえば、なやみ、くろう、犬、子ども。

 

最後の二つに思わず吹き出してしまいました。挿絵がとてもかわいいのです。



それから、【あとで】の項

大人は しばらくしたらの意味

子どもと 犬には

ダメという意味

 

その状況を想像して、大人としてかなりウチアタイしてしまいます(笑)。

 
【わるいこと】

子どもは 大人が いやがること

大人は じぶんが されると

いやなこと。

犬は 人が いやがること

 

 

善悪の基準は絶対的なものではなく、その時々の相対的な価値観で決まる…を地で行くような言葉ですね。

思わずうなって納得してしまいました。