インフルエンザ流行状況(第42週)

今週に入って、クリニックでも日常的にインフルエンザに罹患した方々が受診するようになってきました。

確実に流行してきている印象です。

 

先日、第42週のインフルエンザ流行状況が発表されました。

それによると、沖縄県全体の定点あたりの患者報告数は10.03人で、注意基準値を超えています。

そして「10人」の基準を超えましたので、沖縄県全体に「インフルエンザ注意報」が発令されました。

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前週は那覇市と南部保健所管内のみでしたが、今回は中部管内が新たに加わりました。

気になるのは、南部管内の増加の程度です。今後、大流行する危険性があります。

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手洗いや咳エチケットを改めて徹底させましょう。

 

艾(よもぎ)の年

昨夜は中部病院研修医同窓会役員会に参加してきました。

今までなかなか参加できなかったのですが、来年は沖縄県臨床研修事業50周年の記念の年ということもあり、なんとか都合をつけて参加することができました。

 
そこで、「艾年」という言葉を始めて知りました。

「がいねん」と読むそうです。

「艾」とは「よもぎ」のこと。あの植物のよもぎです。沖縄ではフーチバーと言います。

 
そして「艾年」とは年齢を表す言葉で、ずばり「50歳」のことだそうです。

理由が「髪がよもぎのように白くなる年齢」だから。

よもぎのように白くなる?

実は艾と言う字は「もぐさ」とも読むらしいですね。お灸などにつかうあれです。

そのもぐさは、よもぎの葉の裏にある繊毛を精製してつくられたものだそうです。

もぐさの元がよもぎだということも知りませんでした。

もぐさなら、確かに白い。

 
臨床研修事業50周年は、50歳。つまり、艾年です。

研修医1期生の方々はすでに50年経ったということですね。

関係ないですが、私の年齢も艾年を超えました。

 
艾の年。

私については、まだまだお灸をすえてもらうような未熟者っていうことかも、です。

 

 

道端を探せば、フーチバーの写真を撮影できたのかも知れませんが、時間がなかったのでWikipediaから探してきました。

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ボカしたい

ポートレート写真などでは、背景をボカして対象物を浮かび上がらせるとかっこよく見えます。

私のような素人でも、絞り優先のAモードにして、ボケ描写がうまくいったりすると、密かに自己満足に浸っています。

そして、調子に乗って、ついついたくさん撮ってしまうのですね。

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絞り値を開放寄りにすれば、被写界深度が浅くなるので、対象だけがくっきりとするわけですね。

 

スマホ・カメラは基本的にパンフォーカスなのでスナップ写真が得意ですし、瞬時にシャッターチャンスをとらえることができます。

ところが、最近のスマホは、被写界深度の情報をインプットすることができるようで、ポートレート写真を撮影することができるのですね。

びっくりしました。

 

例えば、これが通常のスマホ写真。ゆずひこと後ろの卓上カレンダーの文字もくっきりと見えます。

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そして、これがポートレート・モード。ゆずひこがくっきりと浮かび上がっていますよね。

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楽しくなって、調子に乗りやすい私はこんな写真も撮ってみました。

通常のスマホ写真。

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そして、ポートレート・モード。

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スマホ・カメラが、一眼レフ・カメラのような機能を搭載しているわけではなく、それ風に見えるように画像処理をしているのだと思うのですが、素直に面白いです。

私たちが日常で目にしている画像が持っている情報って、いったい何なのだろうとふと思ってしまいました。

 

 

ありがたい心遣い

クリニックに通う80歳台の女性 Tさんは、いわゆるユタを生業としている方です。

「なんでかね~」と言うのが口ぐせですが、あまり深刻さがないので、これもストレスをためないコツなのかなと感心します。

 

そのTさんが、先日の外来で「先生に是非あげたいものがある」と言って手渡してくれたものがありました。

「へ?なにかな?」

訝しがる私をよそに、Tさんは嬉しそうに説明を始めました。

「これにはちゃんとお祈りもこめてあるから、ね。」

袋から取り出すと、数珠のブレスレット(それともパワーストーンの方がわかりやすいでしょうか。)が二つ入っていました。

 

私にただならぬ邪気を感じたのでしょうか(笑)。

Tさんはわざわざ外来日でない日に受付の事務に、「先生の干支を教えて」と訊きに来ていたそうです。

「ありがとう。大切にするね。」

「ちゃんと身に着けてよ。」

Tさんの生業を知っているだけに、(さすがにちょっとだけびびりながら)ありがたくいただきました。

 

パワーストーンの効果が云々と言うよりも、Tさんの気持ちで、守られる気がします。

 

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映画「ミッドナイト・イン・パリ」

広島への移動の行き帰りの新幹線の車中で、タブレットで鑑賞しました。

ウディ・アレン脚本・監督の「ミッドナイト・イン・パリ」(2011年)です。

観終わった後、楽しい時間を過ごした満足感を味わいました。面白い映画を鑑賞した後特有の満足感です。

荒唐無稽なお話には違いないのですが、良質なファンタジー小説を読んでいるような感覚でした。

 

婚約者に現実ばなれした懐古趣味を揶揄される男性ギル(オーウェン・ウィルソン)が主人公です。

ある日、夜中にパリで迷子になった彼が、深夜12時の鐘が鳴る時にタイム・スリップしてしまいます。

その「スリップ」の仕方がさりげないのです。あまりにさりげないので、しばらくタイム・スリップしたことを本人はもちろん、観ている観客も気づかないほどです。

彼がタイムトラベルした行き先は、それこそ世界の文化の中心だったゴールデンエイジ(1920年代)のパリでした。

そこはアーネスト・ヘミングウェイやピカソ、ダリなど、それこそ一時代を築いた芸術家たちが集う場所でした。

ギルは夜ごと、その1920年代のパリを訪れることになります。

昼間は2010年の実生活に戻って現実の厳しさを突きつけられながら、婚約者とのすれ違いに苦虫を噛みしめる。そして、夜は彼の憧れの時代で自分の大切なものを明らかにしていく。

その末に彼がくだした結論は、誰もが納得する大人の判断だったとも言えます。

 

映画のラストが、本当の魔法だったのではないかと思う素敵なシーンでした。

 

おそらくこの映画は、監督のウディ・アレンさんの趣味が満開しています。

庵野監督が「好きな人が気づけばいいや」ぐらいの気持ちで些細なヒントをあちこちにちりばめたように、この映画もウディ・アレンさんの小ネタがあちこちにちりばめられています。

 

これを機会にウディ・アレンさんのほかの映画も観たくなりました。

 

 

 

自分たちのミッション

在宅血液透析研究会は非常に刺激をもらい、久しぶりに楽しかったです。

研究会や学会に参加すると、いつも思うことですが「私たちのやっていることは決して間違っていない」と再確認しますし、他施設の発表を聞いて「そんな視点があったのか」ともっと勉強したいという意欲が増してきます。

私にとって、長時間透析研究会とこの在宅血液透析研究会は、そういう刺激のタネが多い研究会の代表格です。

 

具体的には、より安全であるための維持管理のアイデアや工夫、バスキュラーアクセスについての各施設の苦労と取り組みが聞けたことは、共感することもあり良かったと思います。

さらに印象的だったのは、「研究会としてのミッション」という言葉が会場のあちこちで聴かれたことでした。

これは私たち医療者が持つべき共通の「あるべき姿勢」なのだと思います。

自らのミッションを意識することは、単に社会貢献という枠を超えて、自分たちの道すじを示してくれます。

在宅血液透析を支援するクリニックは何をミッションとしているのか。ミッションは何なのか。

ドラッカーっぽくていいですね(笑)。

 
さて、2週間後には「長時間透析研究会」があります。

今から楽しみです。

 

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第19回在宅血液透析研究会

昨日の夜に広島に到着しました。

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今回は、第19回在宅血液透析研究会に参加するためです。

 

仕事の都合があって第1日目には参加できませんでしたが、第2日目だけでもと、初めての参加です。

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今まで、さくだ内科クリニックでは2名の方の在宅血液透析支援を行ってきました。

うち1名は沖縄から東京へと転居することになり、今は1名を支援中です。

 

そして現在、新たに1名が在宅血液透析に向けてトレーニング中です。

 

今回は研究会を通してたくさん勉強させていただきたいと思ってやってきました。

楽しみでワクワクしています。

 

インフルエンザ流行状況(第41週)

2016年第41週(10/10〜10/16)のインフルエンザ流行状況が発表になりました。

 

第6回世界のウチナーンチュ大会がいよいよ来週の10月27日に開会します。

沖縄県健康長寿課では、それに合わせて強化サーベイランスを実施しているようです。その関係でインフルエンザ流行状況も平年よりも早い第40週からの発表を行っているとのことでした。

詳細はこちら → 「沖縄県感染症情報センター」

さて、前週の第40週では那覇市保健所管内に注意報が発令されていました。

 

今回の第41週では、沖縄県全体の定点報告数は7.03人。(前週は6.22人)

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那覇市保健所管内は12.42人(前週11.17人)、そして今回は新たに南部保健所管内で10.43人で注意報レベルに達してしまいました。

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型別では全例がA型のようです。

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繰り返しになりますが、インフルエンザの予防接種は早めに行ってください。

また、残念ながら10月の前半にすでにインフルエンザにかかってしまった方もいらっしゃるかと思います。

体調が良くなれば、そういう方も接種されることをおすすめいたします。というのは、ワクチンはA型を2価、B型2価を対象にしているからです。

現在、流行しているA型にかかったからと言っても、いつB型が流行するかわかりません。

「インフルエンザにかかってしまったから、今年はもうかからない。」と言えないのが最近の傾向なのです。

ぜひ、ご検討ください。

 

ショートショート「鍵」

星新一さんのショートショートの中でも、ジワリといつまでも心に残る作品だと思います。

「鍵」

鍵と鍵穴の話題は、酵素の「鍵と鍵穴モデル」などの科学分野だけでなく、人生訓として問題解決の喩えに使われたり、非常に私たちの身近にあるものですね。

ショートショートの星新一ワールドでは、鍵を持った男が、鍵穴(その鍵の対となる扉)を探し求めた結果、最後にどのような結論をくだし、どのような境地にいたるかを描いています。

読み終えた後、他のショートショートとは違った感想を持ちました。

 

普通は、開けたい扉がある。しかし鍵がかかっているので、何とか鍵を見つけたいと思う。扉を開けることが目的となる。

だから、もしかしたら鍵以外でも開けることを良しとするかも知れない。

けれども、ここでは、まず鍵がある。その鍵が開ける扉(対となる鍵穴)を見つけたい。けれども見つけられない。一生をかけても見つけることができませんでした。

 

イソップ物語やジャータカ物語のような、寓話に近いものを感じました。

鍵は私たち自身なのかも知れません。

この鍵(私たち自身)を何に使うのか。一生かけて探し求めていく。

探し続けることが男の一生だったように、私たちも「道半ば」の道を歩き続けていく。

 

ショートショートですから、すぐに読めます。おすすめです。

 

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インフルエンザ罹患時の出席停止期間

インフルエンザと診断された時に、親御さんから「いつになったら学校に行ったらいいのですか?」という質問を受けることは少なくなりました。

おそらく、学校からの説明が徹底されてきたこともあるのでしょう。

ある学校は体温表を配布し、「解熱して2日経過」を視覚的にとらえる工夫をされているところもあります。

 

一方で、職場は各々対応が違っているようです。

ただし、現段階では、流行を食い止めるという意味では、どの職場も「学校保健安全法」に準じた方が良いというのは誰もが知っていることです。

 

「職場に連絡して、どうするのか訊いてくださいね。」

と言いますが、患者さんには「学校保健安全法」に基づいた自宅療養期間(出勤停止期間)を示すようにしています。

 

言葉ではよくわかりにくいということもあって、図表をつくってみました。

「解熱」というのは「平熱になる」という意味です。多くは37℃未満ですが、37℃前半が平熱の方もいますね。

参考にされてください。

 

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