テレビを点けること

 

普段はテレビを観ないです。

家にテレビがないから(だいぶ前に故障して、そのまま放置)ですが、ないならないで済んでしまうのがテレビですね。

ただし、最近気づいたのですが、私は出張でも観光でも、ホテルに着いたらまずテレビを点けて一息つくのが習慣です。

テレビを点けて、番組は選ばず、とにかく流しっぱなしにして、スーツを着替えたり、荷物をほどく作業にとりかかります。

あれってただの習慣なのかなと思っていたら、今年のほぼ日手帳の12月26日の「今日の一言」でこんな文章に出会って、はっとしました。

 

「吉本隆明さんに、訊いたことがある。

『どうして、いつもテレビを点けているんですか?』と。

『さみしいから、じゃないでしょうかねぇ』

ほんとうにほんとうの答えを、老いてからの吉本さんは、ぼくらの目の前に無造作に置くようなことを、よくした。」

 

この文章を読んで、私のしてきたこともそうかも知れないと思いました。

一度も行ったことのない場所、入ったことのない部屋。

意識しないまでも、警戒(?)しているのを少しでも日常に近づけるために、自分の慣れ親しんだ音だとか言葉だとかで溢れさせる。

(ここはいつもの空間と同じ)と思わせる。

とっても簡単にいえば、「さみしいから、テレビを点ける」

 

昔、祖母が24時間ずっとラジオを点けていたのを思い出しました。

中学生の私は好きなパーソナリティーや好きな音楽が聞けるからラジオを流しっぱなしにしているんだろうなと思っていたのですが、当時独居の祖母は、さみしかったのかも知れません。

 

年末・年始のお知らせ

 

年の瀬となり、あわただしい時期となってきました。

天候も、急に冬らしくなって、体調管理もなかなか難しい季節ですね。

 

さて、クリニックの年末・年始の外来診療のお知らせです。

下記の表のように、12月30日(土)の午前中まで診療を行います。

ただし、12月30日は休日加算の対象日となっておりますので、ご注意をお願いいたします。

 

 

 

3連卓上カレンダー

 

今年も残り1週間ほどになりました。

診察室のカレンダーも2018年の初めの予定が立てられるように、今月の上旬には新しいカレンダーに変えました。

 

私の好みで、外来の診察室では3ヶ月のカレンダーを一度に見ることができるように3連カレンダーにしています。

2ヶ月後に外来予約をとるような患者さん達にもわかりやすいので便利なためです。

下の写真が壁掛けのカレンダー。

月が変わると、順序を入れ替えるような仕組みです。

 

卓上カレンダーも3連カレンダーにしています。

 

ただし、卓上カレンダーの欠点は、上のように「12月」「1月」「2月」の並びなら良いのですが、12月が過ぎて3月を見ようとすると、下の写真のようになります。

上端をスパイラルリングで留めているので、固定されてしまっているからなんですね。

「3月」「1月」「2月」の順になってしまいます。

その次は、「3月」「4月」「2月」です。

5月になって、やっと「3月」「4月」「5月」でまっとうな並びになります。

 

気にしなければ良いのでしょうが、どうも落ち着かないので、前回はスパイラルリングを通す穴を避けて切断し、下端にプラスチックの受け皿をつけて使っていました。

そうすると、「1月」「2月」「3月」が左から右へ順番通りに並べることができます。

けれども、これをやると写真では外していますが、クリップで留めておかないと落ちてしまうという欠点があります。

留め金のスパイラルリングを外していますから不安定なのです。

 

今回は、スパイラルリングを広げてみました。

 

リングを広げて、ある程度の隙間をつくってみると、カレンダーがするっと抜けてくれました。

 

これで順序を変更することができます。

下の写真は、「1月」「2月」「3月」の並びになっていますが、この形式の3連カレンダーで普通はありえない並びなんですね。

少しゆるゆるになってしまいましたが、診察室のデスクの上から移動させることはありませんし、私にとってはこれで十分です。

 

こんなことをしなくても、並べ替えられるカレンダーをどこかの会社でつくってくれないでしょうか?

私ならすぐに買います(笑)!

 

 

トゥンジービーサー

 

今日は冬至(トゥンジー)です。

小学3年生の姪が「1年のうちで1番昼が短い日」だと教えてくれました。

「よく知っているね」と感心したら、今日学童で教えてくれたのだと胸を張りました。

 

それにしても、トゥンジービーサーという言葉が、今年はぴったりの日になりました。

(昨年は「トゥンジービーサー」どころか25℃を超える夏日で、ほとんど半袖で過ごしていました。)

暦通りの気候になると、どこかほっとしている自分があります。

 

 

毎年、冬至の日には「トゥンジージューシー」を母がつくってくれます。

夕食の席に着くと「今年は失敗したさあ、あはは。」と笑っていました。

どうも水の量を間違えたらしいのです。

「でもおいしいでしょ?」と屈託なく言うので

「出汁(だし)が出てるからおいしいね。」と答えました。

 

 

トゥンジージューシーを食べて、今年の冬も乗り切れるでしょう。

 

 

 

スロージョグ

 

一昨日の夜、遅い時間でしたが、最近やっていなかったスロージョギングを久しぶりにやってみました。

動かないでいると、ヒトの体って「なまって」しまうものですね。

少しジョグを始めただけで、(足が重い)(息があがる)(あれ?こんなフォームだっけ?)と自分でも情けないほどに体が動きませんでした。

 

スロージョギングが良いところは速さは問題にしないところです。

体が重くても、とにかくゆっくりと足をトコトコと(まさしく足踏み!)動かしているうちに、なんとなく体も温まってきて、筋肉もほぐれて動くようになってきます。

そう言えば、ある時間を過ぎるまでは、いつもこうです。

 

ただし、動くようになったというのは私の錯覚です。ジョグの動きは全く変わっていないですし、要するに呼吸が落ち着いて気持ちが乗ってきたということです。

公園の(上空からみると)長方形のジョギングコースを周回して、少し物足りなさを感じるぐらいでやめました。

素人ですから、物足りないと思うぐらいが次も運動したいと思うようになるので、ちょうど良いのです。

 

また少しずつでもスロージョグを続けてみたいと思いました。

 

 

「インフルエンザ注意報」が発令

ついに12月20日付けで「インフルエンザ注意報」が発令されました。

詳細はこちら → 「沖縄県インフルエンザ関連情報」

 

2017年第50週(12/11~12/17)の沖縄県全体の定点あたり患者報告数は10.43人で、注意報基準値である10人を超えました。

 

年齢別でみると、5-9歳、1-4歳、10-14歳の順で多く、外来で「保育園、あるいは学校で複数人の罹患者と接触した」という患者さんの声をそのまま反映している印象です。

 

保健所別では、南部および那覇市保健所管内が13人台となっており、前週からの増加が大きくなっています。

お互いに声をかけあって、手洗いと咳エチケットで予防につとめましょう。

 

「ジェリーフィッシュは凍らない」

 

週末は東京に出張でした。

飛行機だと片道に約2時間ほどかかりますから、往復4時間です。この4時間は誰にも邪魔されることがありません。(睡魔以外には(笑))

まるまる4時間をまとめて使えるというのは至福の時間になります。

さて何に使いましょうか?

iPadに映画コンテンツをダウンロードしておいて鑑賞してもいいですね。最近はイヤホンで動画を見ている方も多い気がします。

私は、やはり読書をおすすめします。どんな本でも構いませんが、嫌いじゃなければ集中できる分だけ推理小説やミステリーがおすすめです。

長編ミステリーだとゆっくり吟味しながら読み終えることができます。

たまに帰りの便でも決着がつかず、帰宅してベッドのまくらで読み終える…ということがありましたが、その時は午前3時をまわっていて、さすがに翌日に堪えました。

反省したので、最近はそういうことはやらないようにしています。

 

今回の出張のオトモは「ジェリーフィッシュは凍らない」。

2016年の第26回鮎川哲也賞受賞作です。

 

 ジェリーフィッシュは凍らない 市川憂人著

 

内容紹介を引用しますね。

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。

 

いわゆる密室環境での犯罪トリックが秀逸です。

読者はミステリーを読む時、「そうきたか〜」と思いたいのですね。展開が予想を裏切るとしびれますし、だまされると嬉しくなります。けれども子供だましだと怒りがこみ上げるものです。

その点、この本は見事にだましてくれました!

 

作者はこの作品がデビュー作なのだそうです。面白かったです。これからも期待大です。

 

台風情報!?

 

週末から急に寒くなった沖縄。

今日は日中の温度が18℃だったということですが、風が強い分だけ体感温度が下がっている感じがしました。

 

乾燥もしているので鼻やノドをいためる方も多かったようです。

上気道炎症状を訴える方の受診が増えていました。

 

いつまでこの寒さが続くのだろうと天気図を開いてみたら、遠い南の海でなんと台風26号(カイタク)が発生していました!

 

カイタクとは、香港の旧空港の名称の啓徳空港を由来としています。(懐かしい名前が出てきました。)

熱帯低気圧もあるようなので、年内に27号までは発生しそうです。27号が発生したら、日本の星座名『テンビン」が名称になるようですね。

 

沖縄に影響はなさそうですが、12月の台風というとやはり不思議な感じがします。

地球はやはり壮大です。

 

 

クリニックの飾りつけ

 

クリニックのスタッフが、クリスマスのシーズンらしい飾りつけをしてくれました。

 

今年ももうあと2週間を残すだけとなりましたね。

やり残したことだらけですが、もうジタバタしても仕方がないので静かにカウントダウンに従うことにしています(笑)。

 

町のにぎわいムードと同調するのも、区切りをつける良い機会です。

最後の追い込みに体調を崩さないように。

お互いに気をつけていきましょう。

 

 

 

青空文庫「狸と与太郎」

 

青空文庫には、1分で読めてしまう短い小説がいくつかあって、隙間時間を利用して読むことができます。

以前に紹介した夢野久作の「医者と病人」もそうでしたが、この作者は超短編小説に面白いものがたくさんあります。

今回は「狸と与太郎」という小説を紹介します。

青空文庫で読めます。→ 「狸と与太郎」

短いので、ここに全文を載せますね。

 

 狸と与太郎

 

 与太郎は毎日隣村へ遊びに行って、まだ日の暮れぬうちに森を通って帰って来ました。

「あの森は狸がいていろいろのものに化けるから、日の暮れぬうちに帰らぬと怖ろしいぞ」

 とお母さんが言いきかせているからです。

 ある日、太郎はうっかり遊び過ごして真暗になって帰って来ました。森の中に入ると、忽ち一丈もある位の一つ目入道が出ました。

「ヤア。大きな伯父さんが出て来た。眼玉が一つしかないんだね。面白いなあ。僕と一緒にうちへ遊びに来ないかい」

 と与太郎は言いました。一つ目入道は見ているうちにロクロ首になりました。

「ヤア。綺麗な首の長い姉さんになった。変だなあ。どうしてそんなに長くなるの。もっともっと長くして御覧」

 と言いました。ロクロ首は今度は鬼の姿になりました。

「オヤ、鬼になった。お節句の人形によく似てる。可笑(おか)しいなあ。もっといろんなものになって御覧」

 化け物は与太郎がちっとも怖がらないのでつまらなくなって、狸になってしまいました。それを見ると与太郎は真青になって、

「ワア狸が出たあ。化けると大変だ。助けてくれ」

 と言いながら一所懸命逃げて行きました。

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入力:川山隆

校正:土屋隆

 

自分で経験せず、人から「恐ろしいぞ」と印象を吹き込まれたものが恐ろしく、本当は恐ろしいのだけれど、目や耳に慣れ親しんだものについては恐怖を感じない。

人の恐怖の対象となるのは、総じてそういうものなのかも知れないですね。