「孤島パズル」

 

もちろん、無理に分ける必要はないのでしょうが、ジャンルとしては「クローズド・サークル・ミステリー」ということになりますね。

 

「クローズド・サークル」というのは、何らかの事情で外界との行き来が断絶した状況のことを言います。

 

文字通り、閉ざされた空間で起こった事件を扱ったミステリーのこと。

 
  「孤島パズル」有栖川 有栖著

 

舞台は孤島。奄美大島に近い嘉敷島(架空の島)。

 

台風が近づいているため、迎えの船が来るまで島ひとつが大きな密室というわけです。

 

ネットにあった、この作品の紹介文を掲載します。

 

(ここから)

英都大学推理小説研究会に新風を吹き込んだ彼女(マリア)が「伯父の別荘へ行かない?」と誘った孤島の夏。メインテーマは宝捜し(パズル)。みごと解ければ推理研の面目躍如、波涛を越えて時価数億円のダイヤが眠る嘉敷島へやってきた江神二郎とアリスは、楽しむ間もなく起こった事件に巻き込まれてしまう。毎年同じころ島に会する人々に密やかな翳りが根ざしているのか、南国の陽光と青い海、降るような星空を背景に幕間のない悲劇が進行していく。――ここにパズルがある。どうかあなたの手でこの小宇宙に秩序をもたらしていただきたい――〈読者への挑戦〉が興を添え、青き春を謳うロマンティシズムが錦上に花を敷く、極上の本格ミステリ。

(ここまで)

 

罪を犯す人には、その人が背負わなければならなかった宿命があり、また、それをすべて包み込んで犯人を理解しようとする探偵がいます。

「クローズド・サークル」の醍醐味は、登場人物の中に必ず犯人はいるはずで、しかも皆が一様に容疑者であるのにも関わらず、事件が連続して起こってしまうこと。

〈読者への挑戦〉は、事件が起こったその瞬間からなされているとも言えます。

「この人物があやしい」

読者は思い思いに推理をめぐらせながら、結末へと進んでいくのです。

 

私にとって有栖川有栖さんに初めて触れた本だったのですが、「江神シリーズ」とありますから、ほかの作品もさっそく読んでみたくなりました。

 

 

当院の「インフルエンザ予防接種」と流行状況 第5週について

 

沖縄県の第5週(1月28日~2月3日)のインフルエンザ流行状況の発表がありました。

沖縄県全体の定点あたり報告数は47.14人で、「インフルエンザ警報」発令中です。

保健所単位では、前週にひきつづき県内全保健所管内で警報基準値を上回っている状況です。

外来でも、いっときのように、受診する方ほぼ全員が発熱…という感じではなくなってきました。

しかし、それでも「午前中はつらくて寝ていたから受診できなかった」「早く受診しすぎると、診断がつかないって聞いたから、家で我慢していた」という方もいたりして、医療機関が把握している報告者数と実際のインフルエンザ罹患者数には、どうしても埋められない「差」があります。

それを差し置いても、終息に向かっているんじゃないかという「肌感覚」の印象があります。

*

当院では、今冬のインフルエンザ・ワクチンの予防接種を2月末まで行うこととしました。

浦添市の高齢者の方を対象にしたインフルエンザ予防接種の接種費用の一部公費負担の制度が、2月28日までとなっているというのもありますが、やはり一人でも多くの方に予防接種の機会を提供したいと考えたからです。

予防接種をまだの方は、お早めにお願いします。

(ワクチンがなくなった時点で、2月28日を前に終了することがあります。ご了承ください。)

 

 

ペットボトル症候群

 

脱水についてたくさんの注意喚起がなされてきました。

 

その甲斐あって、水分をとることの重要性が人々に浸透してきているように思います。

 

スポーツドリンクや経口補水液などが市販されていますから、容易に補給も可能になっています。

 

おおまかに言って、経口補水液とはナトリウムなどミネラル成分を含んだものです。

 

イメージとしては、下痢や発熱などで体内の水分が失われた時に、点滴で行う補液を、経口で摂ることができるものだと考えればわかりやすいかも知れませんね。

 

そして一方で、スポーツドリンクはまさにスポーツをしている人が、スポーツの最中に補うものです。

 

経口補水液と大きく違うのは、エネルギー源であるブドウ糖が含まれていること。

 

これが実は大きな問題を引き起こすことがあります。

 

「ペットボトル症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

 

これは、スポーツドリンクを毎日大量に飲み続けた人が、体内に入った大量のブドウ糖の影響で高血糖の状態を引き起こし、ついには糖尿病を患ってしまうことを言います。

 

スポーツドリンクを飲むのなら、スポーツをしている時だと決めたほうがいいでしょう。

 

そして、スポーツをしているときでも、一度に大量に飲むのではなくて、水と交互に飲むか、半分にうすめてもいいと思います。

 

自分の何気ない習慣で糖尿病を引き起こしてしまうことがあります。くれぐれも気をつけましょう。

 

 

時機

 

今さら私が言うことでもないのでしょうが、人には「時機」があります。

蝶の姿を早く見たいばかりに、まだ時機を得ていない蛹の殻をこわしてしまったら、どんな結果が待っているかは想像の通りです。

未来に、何が待ち受けているかはわかりませんが、結果ではなく、その人の「成長」の可能性を信じることはできます。

結果は待つしかありません。

結果の「吉」「凶」は占いに頼るしかありませんが、その人がまっすぐに進んでいるのなら、その人が「成長した姿」に成果を託すことはできます。

 

最近、外来で糖尿病の患者さんと接していて、よく頭によぎるのは、上の「蝶と蛹」のお話です。

その人の「時機」がくるまで、なんとか外来への通院だけは続けて欲しい。自己中断しないのが最低ラインの願いです。

 

先日、久しぶりに同伴してきた奥様に「先生がどんな指導をしているか確かめにきた。」「私が言っても聞かないから、先生に怒ってもらいにきた」と言われて、その患者さんと一緒になって小さくなってしまいました。

患者さんと目配せしながら(まずいね)(今日は分が悪いです)と合図しあいます。

けれども、こういう方が(どういうわけか)やる気を起こして、実践し始めると、みるみる改善していくのです。

あの頃はなんだったのだろうと思うほど、大変身を遂げてしまいます。

それは医者が操作できることなのでしょうか?

私が未熟なだけなのかも知れません。

そんな未熟な私は「時機」としか言いようがないものを感じています。

ですから、「時機」と「成長」を信じるのです。

 

 

2月の晴天

 

今日は休日でしたが、事務的な仕事が残っていたのでクリニックを訪れました。

 

ふと空を見ると、目を見張るような快晴です。

 

たしか浦添では「てだこウォーク」の2日目。良い天気に恵まれて、きっと参加者も喜んでいることでしょう。(かえって日差しに参っているかも!)

 

思わずクリニックが入っているビルの屋上に上りました。

 

そこから、360°パノラマ写真を撮ってみました。

 

遠くに慶良間諸島が見える…はずですが、残念ながら今日は霞が強くて見えません。

 

空を見上げると、気持ちの良い青空です。ドライブ日和と言ってもいいかも。

 

少々暑くても、晴天なら気持ちも明るくなりますね。

 

 

「扉は閉ざされたまま」

 

私にとっては久しぶりの「倒叙ミステリー」でした。

 

 扉は閉ざされたまま 石持 浅海著

 

 

倒叙ミステリーは、最初に犯人が事件を起こすところから物語が始まります。

 

犯人目線で物語が進行することが多く、読者は否応なしに犯人の心情を理解し、時に感情移入することになります。

 

もちろん犯人は完全犯罪を狙っていますから、証拠を残さないためにどんな知恵が絞り出され、どんな工夫がなされたのかを読者は理解します。

 

(これでうまくいくはずだ)

 

そう思ったのなら、読者はすでに犯人の心理的共犯者ということでしょう。

 

物語の進行とともに、追い詰められていく犯人の心理と同じ調律で不安や逡巡や怖さを体験することになります。

 

事件が発生した後に、探偵が登場。

 

たいていが犯人より圧倒的な頭脳を持った名探偵です。

 

倒叙モノの代表格の「刑事コロンボ」しかり。「古畑任三郎」しかり。

 

そして、この「扉のとざされたまま」の、本来は火山学者が本業の「碓氷優佳」もそうでした。

 

「冷静で冷たい」

 

そう彼女を評した表現が、物語の随所に出てきます。

 

犯人と優佳の心理戦、頭脳と頭脳のせめぎ合いが見事でした。

 

けれども、残念ながら犯人の殺人を起こす動機が最後の最後まで語られず、(それがこの物語の一番の謎といえば謎なのですが)それがあまりに特殊な経験と心情であったために、私個人としてはもうひとつだけ前のめりになれなかったのが残念でした。

 

考えてみれば「ある人を殺したい」と思うほどの動機というのは、その人の「生死」の境目を分けている、もしかしたら本人さえも気づいていない「その人間の本質」とでも呼ぶべきものなのかも知れませんね。

 

偉そうなことを言いましたが、それ以上に犯人vs探偵の心理戦が楽しめる、面白いミステリーだったと思います。

 

 

ことば

 

JKの娘がふともらした一言で、私の目の前には「?」マークが出現し、ぷよぷよと浮かんでいました。

 

「…で、明日はオロジャなんだって。」

 

「ん?オロジャ?」

 

前にも教えてもらったことがあると思うのですが、すっかり忘れてしまっていました。

 

何しろ日常的に使わない言葉ですから、(遠い昔に習った外国語のイディオムのように)記憶のかけらも残っていません。

 

「オロジャって、どこだっけ?」

 

「小禄ジャスコのことだよ」

 

私の反応に理解したのでしょう。娘は続けて

 

「じゃあ、バルコってわかる?」

 

と訊いてきました。

 

「バル」は地名の一部でしょう。「ニシバルグヮー(西原小)」あたりかな?と見当をつけた私は

 

「西原(ニシハラ)…」

 

「コ」って何だろう?頭を回転させてみましたが、わかりません。

 

「ファミマ?」

 

口から出まかせです。

 

「なんで!ファミマ?(笑)」

 

「わからん!教えて」

 

「南風原(はえばる)ジャスコだよ。バルジャとも言うね。西原だったら、ニシティ。西原シティ。」

 

オロジャやらバルコやらニシティやら。(また忘れそうです。)

 

朝のクッシュボール・ミーティングで、その話をしたら、少し前の世代の元JKは、バルジャではなく「バルジャス」と呼んでいたそうです。

 

言葉って、人が使っていくうちに形を変えていく生き物そのものなんだなって、つくづく思いました。

 

 

 

360°パノラマ写真

 

今は、360°パノラマ写真が手軽に撮影できる世の中なのですね。

 

画質にこだわらなければ、そんなに高価でもなくなっていますから、お試しに使ってみることも可能です。

 

 

360°パノラマ写真というのは、ちょうどGoogleマップのストリートビューのような写真です。

 

全方位写真とも全天球写真ともいう、あの写真のことです。

 

 

PCでは写真上でマウスをクリックして上下左右に動かすと、全方位の画像を見る事ができます。

 

また、スマホでは本体を見たい方向に動かしたり、指でスワイプすると、その方向の写真を見ることができます。

 

 

行ったことのない場所の雰囲気を伝えるのに、このようなパノラマ写真はとても役立つように思います。

 

今回は、クリニックの発熱患者さんのための専用待合室の中の様子を撮影してみましたので、その写真を載せてみました。

 

ベンチシートの上にある「ひとつ目小僧」のようなものは、カメラを隠すマークです。

 

 ← これのこと

 

アンノウンみたいな生きものを飼っているわけではありません(笑)。

 

ある場所やある建物、イベントなどの紹介などに、このパノラマ写真は威力を発揮しそうです。

 

 

 

沖縄県のインフルエンザ流行状況 2019年第4週

 

沖縄県の2019年第4週(1月21日~27日)のインフルエンザの流行状況です。

 

保健所単位では宮古保健所も新たに警報基準値を上回ったため、全保健所管内で警報レベルとなってしまいました。

 

 

流行の勢いもまだ衰えていません。

 

 

今日の外来診療でも、「学校で流行している」「家族もインフルエンザと診断された」という方が多く、発熱患者さん用に用意した部屋がフル回転で利用されるようになっていました。

 

なかには、「職場で流行している。心配なので検査してほしい」という無症状の方が受診したりして、必要以上の心配や不安が広がっているのかなと思いました。

 

「インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?」について、厚生労働省のサイト「インフルエンザQ&A」には、こうあります。

 

1) 流行前のワクチン接種

 インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されており、日本でもワクチン接種をする方が増加する傾向にあります。

 

2) 外出後の手洗い等

 流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。

 

3) 適度な湿度の保持

 空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

 

4) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

 

5) 人混みや繁華街への外出を控える

 インフルエンザが流行してきたら、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。

 

 

 

意外にというか、あまり「手洗い」の効果が浸透していないようにも思います。

 

しっかりと手洗いをすることは非常に大切ですし、予防の第一歩になります。

 

声をかけあって手洗いしていきましょう。

 

 

フンデームン

 

甘えたり、だだをこねたりすることを沖縄の言葉で「フンデー」と言います。

そうする人のことを「フンデームン」

「フンデーワラバー」のように、もともとは子どものことを表していた言葉のようですが、幾つになっても相手を困らせてしまう「わがまま者」にも「フンデーグヮー」と言います。

「フンデービカー、アビトーサ」(わがままばかり言っているさ)

「イチマディン、フンデースンナーヨー」(いつまでも甘えるなよ)

母は、昔から、私が愚痴を言った時や、泣き言をもらした時には「フンデーばかりして」と諌めてくれました。

母に言わせれば、私の「泣きっ面」は「フンデー=甘え」に見えていたのでしょう。

親にとって子どもは、いつまでも「フンデーグヮー」なのだと思います。