山田洋次監督 「学校」

 

 

DVDで、山田洋次監督の「学校」を観ました。

 

 

 

シリーズ4作の、第1作目の映画です。

 

 

舞台は東京の夜間中学。

 

西田敏行演じる黒井先生と、7人の受け持ち生徒との関わりを描写する形で物語は進行していきます。

 

元ツッパリ少女のみどり。

在日韓国人のオモニ。

ビル清掃の仕事をしているカズ。

不登校児だったえり子。

中国人青年の張。

知的障害のある修。

読み書きができなかった中年男性のイノさん。

 

ある日、教室に病気療養のために郷里へ帰っていたイノさんの訃報が届きます。

 

イノさんとの思い出を振り返りながら、先生と生徒たちが

 

「幸福とは何か?」

 

について議論していきます。

 

映画のクライマックスです。

 

 

 

学校や教育について改めて考えさせられた映画でした。

 

 

 

私がこの映画を観ていると、娘(中学生の次女)が

「お父さん、それ『学校』?」

と言ってきたのには驚きました。

「何で知ってるの?」

今の若い子が進んで観るようなジャンルではなさそうだったので、意外でした。

「観たことがある。この人亡くなるんだよね。」

 

「どこで観たの?」と聞くと

娘が通う中学校で、この映画を教材にした授業があったそうです。

 

それは素晴らしい企画だと思いました。

 

私も中学生現役の時に、この映画と出会っていたら、違っていたかも知れません。

 

 

 

 

[youtube]http://youtu.be/Bd20WT7OyQ8[/youtube]

 

 

 

雨のキャンプ

 

3月末の週末に、北名城ビーチでベンチャー隊がキャンプをしました。

 今回は訓練キャンプではなく、親睦会をかねてのキャンプ。

 

土曜日は天候も順調だったのが

 翌日の午前6時ころから豪雨に見舞われました。

 

自然を相手にする活動が多いので、普段は雨など気にしない連中です。

 

しかし、今回ばかりはベンチャー隊長をして

 「台風みたいだった。あんな豪雨は10年間経験したことがない。」

 と言い切るほどの豪雨。

 

でも、やはり楽しそうでした。

 

 

スカウトのS君に

 「もしかして、こんな雨を降らしたのは、君かあ? S君はきっと雨男だな?」

 と、からかうつもりが

 

「僕は皆出席なので、そういう話は当てはまりません。」

 真面目な顔で、きっぱりと断言されてしまいました。

 

 

 

「確かに。」

 

イベント時に雨に遭遇する確率が高い人間が「雨男・雨女」なら

 分母数の大きいS君は、雨男ではありません。

 

 

ちなみに私は正真正銘の雨男です。

 

 

結婚披露宴の時には離島からの招待客もいたのに雨どころか台風でした。

 この台風、新婚旅行先の北海道まで一緒についてきたものです。

 

開業前にも台風。

 

キャンプ、旅行、資格試験日など

思いつくイベントは、大概が雨の日でした。

 

 

最近は、さすがに雨が降ると「ラッキーの前兆」と思うようになっています。

 

 

  晴れた日は晴れを愛し、

  雨の日は雨を愛す。

  楽しみあるところに楽しみ、

  楽しみなきところに楽しむ。

          (吉川 英治)

 

blueflower

みんなの子ども

 

今日は息子がお世話になった少年野球チームの「高校合格祝賀会」でした。

少年野球は小学生まで。

中学生になったら、それぞれの中学校で野球部に入部し活躍してきた子ども達です。

 

 

高校合格とともに、それぞれの進路が決まったことで

監督を交えて、激励会が催されました。

 

 

父母の皆さんは、どの子にも等しく遠慮なく

突っ込みは入れるわ

囃し立てるわ

愛情があふれる

本当に良い激励会でした。

 

 

父母から彼らに贈る言葉で、共通していたのは「これからスタート」という言葉。

子ども達の成長を見守る風土が、そこに感じられて

久しぶりに良い空気を吸ってきました。

 

 

1-hirugao

お酒 と 貧血

 

 

外来で貧血の検査を行うと、いろいろなことがわかってきます。

 

 

赤血球の数、赤血球の大きさ、色素の濃さ、赤血球のサイズの散らばり具合…。

 

 

実は、貧血だけでなく、栄養素の充足具合もわかってくることがあります。

 

 

言うまでもなく、女性の貧血の原因は「鉄分不足」のことが多いのですが

ビタミン不足が原因になることもあり

何が足りないのか、どうして足りないのかを想像することで

その方の生活背景まで浮かび上がってくることがあります。

 

 

「Aさんは、もしかしたらお酒をよく飲まれる方ですか?」

「あ、はい…。」

「ちゃんと休肝日はとっていますか?」

「…。検査はウソをつかないのですね。実は…」

というお話になることも、時々あります。

 

 

お酒を飲むとビタミンB群が不足してきます。

 

「私はお酒を飲みながらちゃんと栄養も摂っている」とおっしゃっている方

少し待ってお話を聞いてください。

どうして不足するのかを、説明してみます。

 

 

アルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)という酵素の働きで、アセトアルデヒドに分解されます。

さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きで酸化され酢酸に変わります。

1-ADH&ALDH

酢酸はアセチル-CoAに変換され、TCAサイクルで代謝されてエネルギーに変換されます。

アルコール脱水素酵素(ADH)とアルデヒド脱水素酵素(ALDH)が作用する過程で

ナイアシン(ビタミンB3)が消費されるのです。

 

 

さらに大量の飲酒をした時には、この代謝経路だけでは足りず

もともとタンパク合成などの代謝を行なうミクロソームエタノール酸化系酵素(MEOS)が

アルコール代謝を始めます。

 

 

このMEOS代謝では、主にチアミン(ビタミンB1)が消費されます。

 

 

ビタミンB群は

ほかにも糖質、脂質、たんぱく質、アミノ酸などの代謝にかかわる補酵素として働いていますので

大量に摂取したアルコールを代謝する過程で、ビタミンB群が消費されてしまうと

貧血や、末梢神経障害など、生体内のバランスを崩してしまうのです。

体の中のアルコールを代謝することが優先されてしまうのですね。

 

 

お酒の飲みすぎは、ほかに葉酸なども不足しますので注意が必要です。

 

 

※貧血についての説明を追記しました。(2013年8月18日)

お酒を飲むと「脳貧血」を起こすという方は、参考にしていただければと思います。

「貧血を起こす」ということ

 

 

「モジホコリ」

 

「モジホコリ」という生き物をご存知でしょうか。

 

 

「粘菌」を観察するのにちょうど良い代表的な生物として知られています。

粘菌というのはB級的に言えば「人食いアメーバーの恐怖」のモデル?となった生物。

恐怖の対象にされては困りますが、粘菌は動物と植物の両方の性質をもった、とても不思議な生き物です。

 

 

ゆっくりとした動きですが、食べ物を求めて移動します。

 

 

移動するのは変形体の時期で、巨大な細胞質をもった単細胞生物(アメーバ)の状態です。

また、子実体と呼ばれる時期はキノコのように胞子をばらまく植物の性質をもつ多細胞体に変化しています。

置かれた環境によって、あるいはライフサイクルによって体の性質を変化させていくのです。

 

 

また、迷路を最短のコースで解決したり

ある種の環境予測を行うことが知られていて

「知性」についても論じられています。

 

 

知れば知るほど、粘菌はとても興味深い生き物なんですね。

 

 

「モジホコリ」については、ネーミングが素晴らしいですよね。

 

 

実は、私もこのモジホコリを分けてもらって飼っていたことがあります。

餌はオートミールを使います。

mojihokori

 

さすがに、時間がなくて世話ができず、なくしてしまいましたが。

 

 

 

「ドラえもん」と「相対性理論」

 

 

「ドラえもん」がすごい漫画だということは、言い尽くされているのでしょうが

こういう側面があることを、少しだけ紹介させてください。

 

 

数学好きの人間にとって語り草の巻があります。

第25巻です。

 

 

スネ夫の家でSFドラマを見ていたときのお話です。

宇宙飛行士が宇宙から地球に帰還したときに

宇宙飛行士だけが歳をとっていなくて、地球では50年経っていたというお話。

 

 

のび太:でもさあ、どうしてあのパイロットだけ年をとらないの?

スネ夫:物体の運動が光の速さに近づくほど、時間のたち方は遅くなるんだ。

    「相対性理論」ていうんだ。

suneo

 

のび太:?

スネ夫:つまりだな。ロケットの中ではゆっくり時間が流れるんだ。

のび太:??? うそだあ…。

スネ夫:うたぐり深いやつだなあ。アインシュタインというえらい学者がそういってるんだよ。

しずか:それでわかったわ!!

    ほら、浦島太郎のお話しよ。太郎が竜宮で三日すごして帰ってみたら、三百年たっていたという…。

    あれはつまり宇宙旅行だったのよ。たすけたのはカメみたいな宇宙人で、

    カメ型ロケットで竜宮みたいなすばらしい星へつれていかれたのよ。

 

 

子どものマンガに「相対性理論」をこれだけ端的に、しかも的確に表現したマンガがほかにあるでしょうか。

 

 

アインシュタインも「ドラえもん」をきっと気に入ると思うのです。

 

 

 

 

「役に立つ」

 

 

松岡正剛さんのインタビュー記事で知ったことですが

「役に立つ」という言葉は、そもそも芝居用語からきていて

「役柄が分かる」といった意味だそうです。

 

 

この言葉の由来は、興味深いと思いました。

 

 

「この経験が、いつかきっとあなたの役に立つよ。」

辛い経験をした人や、頑張っても達成できなかった時に

そばに寄り添う人は、「元気を出して」と肩に手を回します。

 

 

「役に立つ」が「有用である」という意味のほかに

そういう意味が含まれていることが、特別な思いがします。

 

 

「辛かったかも知れないけれど、この経験はあなたに何かを呼びかける役割を担っている。」

あるいは

「この経験の役割は、あなたを通して、実を結ぶ。」

 

 

良い悪いや○か×かの二極的な基準を抜きにした、自分だけの「役割」をつかむこと。

それが「役に立つ」ということなんでしょうね。

 

 

自分が何かの「役に立とう」と考えるときにも、これはヒントになる気がします。

自分ができることを通して、自分の役柄が分かる。

 
actors

 

 

自分にしかできない役割を見つけたとき、人は強いのかも知れません。

 

 

 

「動機づけ面接法」

 

 

動機づけ面接法(Motivational Interviewing:MI)という方法があります。

 

 

例えば、禁煙、断酒、ダイエットなど

健康に関わる「問題行動」の変化を促すもの

言い換えれば、「変わること」を支援するものです。

 

 

動機づけ面接法は

人は「変わりたい、でも変わりたくない」という

二つの相反する気持ちを抱くものだという理解からスタートしていきます。

 

 

なぜなら、医療者は「正しくない状態」を見ると、つい「正しくしたい」性質を持っているものだからです。

それは医療に従事する職業的な責任感や誠実さを根本にしているということにあります。

 

 

文献を読み、リスクを理解し、その果てにある悲劇を知っている医療者は

患者さんの無茶ぶりを見て、このままだと悪化することを予測して

いても立ってもいられなくなるのです。

 

 

しかし、患者さんはそうではありません。

抵抗しているように見えて、前に進まず、いつまでたっても改善しないのは

多くが、どちらの方向も選べない板ばさみの気持ちにあるからだといいます。

 

 

このままだと悪くなることも知っているのです。

でも、変わらないのは、一方で「変わりたくない」理由もちゃんと準備しているからです。

 

 

患者さんの内側にある、その矛盾を「正そう」とするのではなく

逆に、矛盾を拡大し深化させる。

相反した「変わりたいけど、変わりたくない」という矛盾が大きくなればなるほど

現状のままでいられなくなる。

 

 

逆に、あくまでも「正そう」とすると

その反論が患者さんの口から繰り返し語られ

その言葉がピン押しとなって、「自分の言葉で語られるそのことを、信じ込む」ことになります。

それがどんなに矛盾に満ちたものであろうともです。

 

 

「動機づけ面接法」の出発点は

「なぜ人は変わることができるのだろう?」

医療者の思いやりや愛情にあふれたまなざしから始まるのだと思います。

 

 

スタッフミーティング

 

 

3月27日はクリニック全スタッフ参加のミーティングでした。

 

 

 

ミーティングの前の夜には、院長として振り返りの時を持つようにしています。

 

「スタッフの成長を妨げることをしてこなかったか」

 

「ヴィジョンが曖昧であることで皆の混乱を招いていないか」

 

「コミュニケーションをとることに労を厭ってこなかったか」

 

「面倒なことを避けてこなかったか」

 

 

 

以前に、尊敬するある恩師から「曖昧にしないことが大切ですよ。」と指摘されたことがありました。

 

面倒を嫌うばかりに、あえて自分の感覚を鈍くするようなことをしてきたこと。

 

あえて、気づかないように目や耳をふさいでいたこと。

 

それらのことが今の現実をつくってきたのだということです。

 

 

 

これらのことを踏まえて、特に今回のミーティングでは

「佐久田が思い描くヴィジョン」の提示をさせていただきました。

 

目的は「さくだ内科クリニックの理念」の実現です。

 

そのための目標をいくつか設定しました。

 

生き生きとした活力ある職場に育てあげていきたいのです。

私の偽らざる願いです。

 

手段や方法は、これからみんなで話し合って検討し、実行していきます。

 

 

 

そういうミーティングのやり方が、今でも、良かったかどうわかりません。

 

有言実行の宣言であるように

 

日々、心していきたいと思います。

 

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ホモシステインとCAVI

 

 

「ホモシステイン」について説明します。

 

 

ホモシステインはアミノ酸の一種です。

血液中に蓄積されると動脈硬化を引き起こすことがわかっています。

ホモシステインは、心筋梗塞や脳血管疾患などの危険因子とみなされています。

 

ホモシステインが悪者と言われている理由を以下に列挙しますね。

・活性酸素がを発生させ酸化ストレスを生じさせます。
 
・動脈硬化がすすみます。

・血小板の凝集機能異常をおこします。

 

 

実は、葉酸やビタミンB6やB12を内服すると、血中のホモシステインが低下することがわかっています。

そのため、このようなサプリメントで心血管疾患リスクが減少すると期待されていました。

 

 

2006年にこんな論文が発表されています。

 

Homocysteine Lowering with Folic Acid and B Vitamins in Vascular Disease

April 13, 2006 The Heart Outcomes Prevention Evaluation (HOPE) 2 Investigators

N Engl J Med 2006; 354:1567-1577

 

 

心血管疾患の既往がある40歳以上の女性が対象。

葉酸とビタミンBを内服させると、血中の葉酸値が上昇し、血中ホモシステイン値が低下しました。

しかし、心筋梗塞、脳卒中、血行再建術施行、心血管疾患死は、改善されませんでした。

 

 

1-リスク低下しない

 

つまり、今のところいえるのは、ホモシステインの血中レベルは様々な病気と関連しているらしいということぐらいです。

 

 

一方、CAVI(キャビィ)というのは、動脈のかたさや動脈の詰まり、血管年齢がわかる検査です。

 

 

あお向けに寝た状態で、両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。

時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。

結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。(サイト:動脈硬化netより)

さくだ内科クリニックも「動脈硬化症の検査(CAVI検査)と治療ができる医療機関」というサイトに掲載されています。

(ちゃっかり宣伝してしまいました。)

 

 

最近発表された論文では、前述のホモシステインとCAVIの値が相関するということを示したものでした。

 

 

Descriptive study of possible link between cardioankle vascular index and homocysteine in vascular-related diseases

BMJ Open 2013;3:e002483 doi:10.1136/bmjopen-2012-002483

 

CAVIto

 

 

 

ホモシステインとCAVIは同様に心血管疾患のリスクを予測することができるという根拠になるのでしょうか。