恋愛や婚活において、かつては職場や友人の紹介での出会いが主流でした。
しかし、現在ではデートアプリ(いわゆるマッチングアプリ)の普及で、より多くの出会いの機会が得られるようになっています。
それでも「アプリでの出会い=軽い」という先入観は根強く残っていますし、特に私のような昭和世代には、多少の猜疑心や抵抗感まであるのが普通かも知れません。
しかし、最新の研究では、この考えを覆すような興味深い結果が示されています。
アメリカの大学が233名の大学生を対象に行った調査では、デートアプリで関係を始めたカップルと、対面で直接出会ったカップルの満足度や親密度を比較しました。
その結果、両者の間に有意な質的差は認められなかったのです。
つまり、アプリで出会ったからといって関係が浅くなるわけではないということです。
なぜ関係の質に差がないのか?
この結果には、いくつかの要因が考えられます。
– 所属の欲求の充足:人は本能的に親密なつながりを求めています。デートアプリはそのような欲求を満たすための有効な手段となり得るのです。
– スティグマの減少:かつては「アプリでの出会い」に対する否定的な見方が強かったものの、近年ではその抵抗感が薄れ、社会的にも受け入れられるようになってきました。
– 関係の発展が鍵:関係の質は、出会いの方法よりも、その後にどれだけ努力して互いを理解し合うかにかかっています。
デートアプリ利用の実態
また、この研究ではデートアプリ利用者の行動についても興味深いデータが得られました。
– 1日平均22.65分アプリに費やし、1日平均2.35回アプリをチェックしています。
– 1日平均8.08件の通知を受け取り、1日平均5.55人とマッチングしています。
– アプリを通じて平均4.09回の初デート、合計7.47回のデートを経験しています。
これらの数字からも、デートアプリが多くの出会いの機会を提供していることがわかります。
まとめ:大切なのは出会い方ではなく、その後の努力
この研究結果から言えることは、デートアプリでの出会いが必ずしも軽い関係に終わるわけではないということです。
重要なのは、どのように出会ったかではなく、その後にどのように関係を築き、育てていくかです。
デートアプリは、多くの出会いのチャンスを提供してくれる便利なツールと言えます。
「アプリでの出会いだから」と不安に感じる必要はなく、どの方法で出会ったとしても、お互いを理解し合う努力が良い関係を築く鍵になります。
【まとめ】
– アプリ出会いと直接出会いに有意な質的差はない。
– 関係の質は出会い方より、その後の努力で決まる。
– デートアプリは多くの機会を提供し、選択肢を広げてくれる。
– 社会的な抵抗感は薄れ、アプリ利用者は増加傾向。
– 積極的な理解とコミュニケーションが関係発展の鍵となる。
参考文献:
Langlais M, Toohey L, Podberesky A. Dating Applications versus Meeting Face-to-Face: What Is Better for Romantic Relationship Quality? Social Sciences. 2024; 13(10):541. https://doi.org/10.3390/socsci13100541
