スマホの存在は、現代社会ではすでに必需品となっています。
問題となるのは、その使い方です。
特に、人間関係においてスマホ使用の影響が顕著であることが指摘されています。
最近の研究では、男性にとってスマホの利用が社会的なつながりを損なう原因となりやすいことが明らかにされました。
この研究は、合計1,778人の参加者を対象に、スマホを使うグループと使わないグループに分け、8つの異なる状況でその影響を調査しました。
例えば、子供と一緒に科学館を訪れる親や、初対面の人々と食事をする場面が設定されています。
結果として、スマホを使用したグループは、使わなかったグループに比べ、他者とのつながりを感じにくいことが確認されました。(当然といえば当然の結果ですね)
特に男性においては、その影響が顕著で、スマホを使った男性は使わなかった男性に比べて、社会的なつながりが約47%も低下していたのです。
一方、女性ではその差が約15%にとどまりました。
なぜ男性が特に影響を受けやすいのかについて、研究者たちはいくつかの仮説を提唱しています。
男性は社会的な場でもスマホを使い続ける傾向が強いのに対し、女性は他者との交流中にはスマホを控える傾向があるというデータがその一因かもしれません。
この違いが、社会的つながりの低下に影響している可能性があります。
しかし、スマホが必ずしも悪影響を与えるわけではありません。
たとえば、目的地を探すためにスマホを使った場合、感情への悪影響はほとんど見られませんでした。
情報収集においては、スマホが効率的に役立つため、ネガティブな感情を引き起こすことはなかったのです。
要するに、スマホそのものが問題なのではなく、どのように使うかが鍵です。
適切な場面で使用することで、スマホの負の側面を軽減し、日常生活での人間関係を保つことができるかもしれません。
友人や家族と過ごす際にスマホを手に取る前に、「この瞬間にスマホが本当に必要か?」と一度立ち止まることが大切です。
特に男性は、つながりを大切にしたいのであれば、時にはスマホを手放してみる勇気も必要かもしれません。
参考文献:
Leitao, M. R., Proulx, J. D. E., & Kushlev, K. (2024). Smartphones Undermine Social Connectedness More in Men Than Women: A Mini Mega-Analysis. Technology, Mind, and Behavior, 5(1: Spring 2024). https://doi.org/10.1037/tmb0000125