肥満と腎臓病:6つのリスク因子を知っておこう!

 

私たちの腎臓は、体のフィルター役として働き、毎日血液をきれいにしてくれています。

しかし、肥満はこの大切な腎臓に負担をかけ、慢性腎臓病(CKD)のリスクを高めることが分かっています。

CDKの進行を抑えることが大切なポイントになるのですが、それには6つのリスク因子をコントロールすることが良いとされています。

 

そのリスク因子は、次の6つです: 

1. 血圧 

2. 血糖値(HbA1c値)

3. 脂質(LDLコレステロール) 

4. アルブミン尿  

5. 喫煙

6. 身体活動の管理

 

この研究では、肥満の成人患者に対して、食事や運動、薬の組み合わせによる介入が行われました。

これら6つのリスク因子をしっかり管理したグループでは、CKDの進行を遅らせることができました。

例えば、血圧と血糖値のコントロールが最も重要で、これらを正常に保つことで、腎臓への負担が軽くなることが確認されたのでした。

 

血圧を平均120/80 mmHgまで下げると、腎機能の低下が約20%も遅れることが報告されています。

また、血糖値をヘモグロビンA1cで7%以下に保つことで、腎臓のダメージをさらに抑える効果が期待できます。

体重も大切です。

体重を5%減らすだけで、腎臓にかかる負担が劇的に減少します。

実際、この研究では、体重を適切に減らすことでCKDの進行が大幅に抑えられたとの結果が示されました。

 

日常生活の中で血圧や血糖を定期的にチェックすることが、腎臓を守る第一歩となります。

腎臓は一度ダメージを受けると回復が難しい臓器ですが、予防は可能です。

バランスの取れた食事、適度な運動、そして健康診断を怠らないことが、未来の健康を守る鍵となります。

 

腎臓を守るために、まずは自分の体のリスクを把握し、6つのリスク因子をしっかり管理することから始めてみましょう。

腎臓は、あなたが気にかければ、きっとその期待に応えてくれます。

 

参考文献:

Tang R, Kou M, Li X, et al. Degree of joint risk factor control and incident chronic kidney disease among individuals with obesity. Diabetes Obes Metab. Published online August 20, 2024. doi:10.1111/dom.15874