デジタルマインドフルネスが心を癒す

 

「マインドフルネス」と聞くと、静かな場所で瞑想する姿を思い浮かべるのが普通ですね。

けれども、スマホアプリで「マインドフルネス」と検索すると、それこそ星の数ほどアプリがあがってきます。

「デジタル・マインドフルネス」とでも言うのでしょうか。

そしたら、やはりその効果を確かめたくなるのが研究者というものなのでしょうね。

 

この研究には、91か国から1,200人以上が参加し、デジタルマインドフルネスが私たちの心理的健康にどのように影響を与えるかを調査しました。

参加者は、スマホアプリを使って30日間、毎日10分間の瞑想を行うグループと、対照として『不思議の国のアリス』のオーディオブックを聞くグループに分けられました。

 

結果は予想通りでした。

瞑想を行ったグループでは、ウェルビーイングのスコアが平均で2.34ポイントも向上し、うつ症状や不安症状もそれぞれ1.47ポイント、0.77ポイント低下しました。

これらの改善は、1か月後だけでなく、その後のフォローアップでも持続しており、デジタルマインドフルネスが長期的な効果を持つことが示されました。

 

さらに、この研究では、マインドフルネスが健康行動に対する態度や意図を改善することも明らかにされました。

瞑想を行った人々は、健康を維持するための行動に対する意欲が高まり、その結果として心理的健康が向上したのです。

具体的には、健康維持に対する態度スコアが0.33ポイント、行動意図が0.26ポイント改善されました。

 

この結果から、デジタルマインドフルネスは、忙しい現代人でも手軽に(?)取り入れられる有望なツールであることがわかります。

デジタルツールを活用することで、心の健康を守る新しい習慣を始めてみるのも良いかもしれませんね。

 

参考文献:

Remskar M, Western MJ, Ainsworth B. Mindfulness improves psychological health and supports health behaviour cognitions: Evidence from a pragmatic RCT of a digital mindfulness-based intervention. Br J Health Psychol. Published online August 21, 2024. doi:10.1111/bjhp.12745