尿路感染症(UTI)は、特に女性に多く見られる一般的な病気です。
最近の研究によると、毎年50%以上の女性が少なくとも一度はUTIを経験していると言われています。
しかし、抗菌薬の使用が増える一方で、耐性菌の問題が深刻化しています。
そこで注目されているのが、クランベリーを利用した非薬物療法です。
クランベリージュースやタブレットがUTIに効果的であることは、古くから知られていました。
しかし、その効果についてのエビデンスは一貫していませんでした。
そこで、最近の系統的レビューとネットワークメタアナリシスでは、クランベリー製品とUTIの発生率について詳細に調査されました。
この研究では、20の試験に参加した3091名のデータが分析されました。
その結果、クランベリージュースを飲むことで、UTIの発生率が治療をしない場合に比べて54%も低減することがわかりました。
また、プラセボと比較しても27%の低減が見られました。
さらに、抗菌薬の使用も減少し、治療なしの場合と比較して59%、プラセボの場合と比較して49%の低減が確認されました。
クランベリーには、プロアントシアニジンという化合物が含まれており、これが細菌の成長を抑制する働きを持っているとされています。
また、クランベリージュースを飲むことで、水分摂取が増えるため、膀胱が頻繁に洗浄される効果も期待できます。
これらの効果が組み合わさることで、UTIの予防に役立つわけです。
UTIを繰り返してしまう方は、予防のために、一度クランベリージュース(タブレットでも良いようです。)を試してみてもいいのではないかと思います。
参考文献:
Moro C, Phelps C, Veer V, et al. Cranberry Juice, Cranberry Tablets, or Liquid Therapies for Urinary Tract Infection: A Systematic Review and Network Meta-analysis. Eur Urol Focus. Published online July 18, 2024. doi:10.1016/j.euf.2024.07.002