思春期にエナジードリンクとアルコールを混ぜると脳機能が損なわれる

思春期にエナジードリンクとアルコールを混ぜると脳機能が損なわれる

 

最近の研究によると、エナジードリンクとアルコールを一緒に摂取することは、脳の発達に悪影響を及ぼすということがわかりました。

まず、エナジードリンクとアルコールの同時摂取が若いラットの行動にどんな影響を与えるかについて。

研究によると、エナジードリンクを飲んだラットは、対照群やアルコールのみを飲んだラットに比べて自発的な運動量が増えていました。

また、新しい物体を認識する能力も低下していました。

これは、エナジードリンクが脳に刺激を与えすぎることで、記憶や学習能力に悪影響を与える可能性を示しています。

さらに、モリス水迷路テストという実験で、ラットの学習能力や空間記憶を調べました。

このテストでは、エナジードリンクとアルコールの両方を摂取したラットが、対照群と比べてプラットフォームの位置を覚えるのに時間がかかり、学習能力が低下していることがわかりました。

これは、エナジードリンクとアルコールの組み合わせが脳の正常な発達を妨げる可能性があることを示しています。

次に、脳のシナプス可塑性についての研究結果です。

シナプス可塑性とは、神経細胞が新しい情報を学び、それに応じて変化する能力のことです。

この研究では、エナジードリンクとアルコールを一緒に摂取したラットの脳では、シナプス可塑性が増加していましたが、その効果は一時的ではなく、成長しても持続しました。

これは、若い時期にこのような飲み物を摂取することが、脳の長期的な機能に影響を与える可能性を示しています。

最後に、分子レベルでの変化についてです。

エナジードリンクとアルコールを摂取したラットの脳では、BDNFという脳内の成長因子のレベルが変化していました。

BDNFは、神経細胞の成長や生存を助ける重要な役割を果たしています。

この研究では、BDNFの発現量が増加しており、これがシナプス可塑性に影響を与えていると考えられます。

また、ストレスホルモンであるコルチコステロンの濃度も変動しており、これがストレス反応に影響を与える可能性があります。

これらの研究結果から、エナジードリンクとアルコールを一緒に摂取することが脳の発達に及ぼすリスクについて注意が必要であることがわかります。

特に、若い世代がこのような飲み物を摂取することは、将来的な脳の機能や健康に影響を与える可能性があるため、慎重に考える必要があります。

 

参考文献:

Biggio F, Talani G, Asuni GP, et al. Mixing energy drinks and alcohol during adolescence impairs brain function: A study of rat hippocampal plasticity. Neuropharmacology. 2024;254:109993. doi:10.1016/j.neuropharm.2024.109993