人を思うは身を思う

 

人生の転機は誰にとっても避けられないものです。

特に入学や入社の時期となると、多くの新しい環境やルーティンに直面し、ストレスが増える時期でもあります。

最近の研究では、こうしたストレスフルな期間に他人に親切にすることで、個人の幸福感が高まることがわかりました。

カナダのサイモンフレーザー大学の研究チームは、新入生193名を対象に、6週間にわたる調査を行いました。

学生たちは毎週、どのような親切な行為を行ったか、そしてその週の幸福感について報告しました。

幸福感の指標としては、幸福、繁栄、楽観主義、レジリエンス(回復力)、不安感、孤独感などが含まれています。

この調査の結果、学生たちは親切な行為を行った週に、幸福感を感じていました。

具体的には、他人のためにコーヒーを買ったり、クラスメイトにノートを共有したりするような小さな親切です。

ほかにも、他人のためにドアを開ける、困っている人に道を教える、友達の宿題を手伝うなど些細なことです。

これらの行為は、一見すると小さなことかもしれませんが、実際には大きな効果があったようでした。

つまり、他人に親切にすることで、自分自身も幸せになれるのです。

人生の転機やストレスフルな時期には、自分のことだけでなく、周りの人たちにも目を向けると良いかも知れません。

これは、日常生活の中で簡単に取り入れることができる実践的なアドバイスといえます。

昔から言われている、まさしく「利他即自利」や「人を思うは身を思う」の実証ですね。

 

参考文献:

Cash, T. A., Aknin, L. B., & Girme, Y. U. (2024). Everyday acts of kindness predict greater well-being during the transition to university. Social and Personality Psychology Compass, e12972. https://doi.org/10.1111/spc3.12972