この本を購入したのが2年前ぐらいなので、とっくにブログに書いていたと思っていたのですが、勘違いだったようです。
私たちの頭の中で常にささやく「内なる声」は、自分自身と対話するための重要なツールです。
しかし、その内なる声がネガティブな方向に進むと、私たちは「チャッター」という心の雑音に苦しむことになります。
チャッターは問題解決のために自己反省をしているつもりが、実際にはネガティブな反芻や心配にとらわれ、問題を悪化させることが多いのです。
内なる声は、人間が言語を用いて自己対話する能力の一部であり、私たちが日常生活をうまく乗り越えるための進化的な役割を持っています。
たとえば、大事なプレゼンテーションの前に頭の中でシミュレーションを行ったり、夜遅くにお菓子を食べたくなったときに「明日の朝後悔するよ」と自分に言い聞かせたりするのが内なる声です。
これは「言語的作業記憶システム」の一部であり、私たちの思考を整理し、行動を制御するのに役立っています。
しかし、チャッターが過剰になると集中力が奪われ、人間関係にも悪影響を及ぼします。
例えば、チャッターが原因で自分の問題について何度も話し続けると、周りの人々に対してもイライラを引き起こし、コミュニケーションに摩擦が生じることがあります。
さらに、チャッターは身体的な健康にも悪影響を与えることが知られています。
ストレスが慢性的に続くと、心血管疾患や慢性炎症、さらには癌のリスクも高まるのです。
良いニュースは、科学に基づいた方法で内なる声をコントロールすることができるという点です。
例えば、儀式的な行動を取り入れることで、内なる声を整理しやすくなります。
テニスのラファエル・ナダル選手は、試合中に特定の順序で水を飲む儀式を行い、心の中のチャッターを管理しています。
このような儀式は、頭の中の思考が自分で制御できていると感じさせる効果があります。
重要なのは、自分に合った方法を見つけることです。
全ての人に同じ方法が効果的というわけではなく、様々なツールを試して、自分に最適な組み合わせを見つけることが大切です。
チャッターを経験することは弱さの証ではなく、人間であることの証拠です。
誰もが経験することであり、適切に対処する方法を見つけることで、より良い生活を送ることができます。