コーヒーはパーキンソン病のリスクを低減する

 

ネット・サーフィンをしていると「コーヒーの効果」というか「コーヒーの良さ」の証拠が、ほぼ定期的と言っていいほどにあがってきます。

実際、このブログにも、何度もコーヒーのメリットを紹介してきました。

世の中に、よっぽどコーヒーびいきの研究者が多いのか、と勘繰りたくなります。

そういう私もコーヒーの愛飲者なので、願ったりのお話なのですが、今回は「コーヒーとパーキンソン病」についての研究でした。

これによると、コーヒーをたくさん飲むと、パーキンソン病になるリスクが低くなる可能性があるそうです。

具体的には、コーヒーを全く飲まない人に比べて、たくさん飲む人はパーキンソン病になるリスクが約37%低くなるとのこと。

この研究では、ヨーロッパの6つの国から集めたデータを使いました。

対象者は19万人以上で、そのうち約600人がパーキンソン病を発症しました。

そして、コーヒーの摂取量とパーキンソン病の発症リスクの関係を調べるために、血液サンプルも分析しました。

血液サンプルを調べた結果、カフェインとその代謝物、つまりカフェインが体内で分解された後にできる物質も、パーキンソン病のリスク低下と関係していることがわかりました。

特に、パラキサンチンとテオフィリンという物質です。

これらの物質が多い人ほど、パーキンソン病になるリスクが低いのです。

この研究の中で特筆すべきことは、カフェインがパーキンソン病の発症前段階で保護効果を持つ可能性があるという点です。

つまり、カフェインを摂取することで、パーキンソン病の症状が出る前に病気の進行を遅らせることができるかもしれません。

これは非常に大きな発見であり、将来的にはパーキンソン病の予防法としてカフェインが役立つかもしれません。

ただし、この研究にも限界があります。(いつものことですが、ここが大事)

たとえば、コーヒーをたくさん飲む人は他の健康的な習慣を持っているかもしれず、それが結果に影響している可能性があります。

また、パーキンソン病の前駆症状が出てからコーヒーの摂取量が変わることも考えられます。

さらに、遺伝的な要因や環境要因も考慮する必要があります。

これに加えて、喫煙については特に注意が必要です。

確かに一部のデータでは、喫煙者でコーヒーを飲む人のパーキンソン病リスクがさらに低いという結果も出ていますが、喫煙自体が健康に多大な悪影響を及ぼすため、この結果をもって喫煙を勧めることは決してありません。

むしろ、健康のためには喫煙を控えつつ、カフェインの摂取を考慮することが望ましいです。

それでも、コーヒー好きにとっては朗報です。

毎日のコーヒータイムが、実は脳を守る力になっているかもしれません。

今度コーヒーを飲むときは、その一杯が健康への一歩かもしれないとニヤケてもいいかも、です。

ただし、カフェインの摂りすぎには注意が必要ですよ。

何事もバランスが大事ですから。

 

元論文:

Zhao Y, Lai Y, Konijnenberg H, et al. Association of Coffee Consumption and Prediagnostic Caffeine Metabolites With Incident Parkinson Disease in a Population-Based Cohort. Neurology. 2024;102(8):e209201. doi:10.1212/WNL.0000000000209201