美徳という概念は、何千年も前から哲学の中心的な考え方として存在してきました。
アリストテレスは、’eudaimonia’、つまり「人間の繁栄」を人生の目標とすべきで、それは美徳を育てることで達成できるものだと提唱していました。
この古代の知恵は、現代の心理学研究に通じています。
マーティ・セリグマンやクリス・ピーターソンなどの学者が、いわゆる「シグネチャー・ストレングス(自分を特徴づける強み)」と名付けた、普遍的に美徳と認識される24の性格を特定しました。
これらの性格の強みは、個人的な成長に貢献し、目的や行動、全体的な幸福感に影響を与えるとされています。
しかし、幸せを高めるのは特定の性格の強みではなく、これらの「シグネチャー・ストレングス」と密に関わることが、大幅に幸福感を高めていきます。
もちろん、これらの「シグネチャー・ストレングス」は私たちの仕事に深い影響を与えます。
研究の結果、職場の満足度は、どの程度「シグネチャー・ストレングス」に関わったかで左右されることがわかっています。その結果、パフォーマンスが向上し、最終的には高い収入をもたらすことができるとも示されています。
この実践は「ジョブクラフティング」と呼ばれ、「シグネチャー・ストレングス」をより多く取り入れるために、職務内容を再形成していくものです。
しかし、「シグネチャー・ストレングス」と関わる利点は職場に限定されるものではありません。
それらはまた、私たちの日常の活動に、より大きな充実感と意味を持たせることができます。
ユーモア、活気、または学習意欲など、これらの強みは私たちの日常をより豊かで充実した経験に変えることができます。
個人の「シグネチャー・ストレングス」は、「VIA」のウェブサイトでいくつかの質問に答えることで調べることができます。(ネット検索するとすぐにヒットします。)
ただし、提示される回答が全てではなく、重要なことは、本当に共鳴する強みを知り、それらを定期的に実践することにコミットすることです。
リストの下の方の強みは、これらの領域で不足しているという意味ではありません。
それらは、むしろ成長の余地がある「のびしろ」、さらに改善するために努力することができる領域かもしれません。
性格の強みの科学的研究は比較的新しい分野ですが、これらの強みが私たちの生活に与える影響は長い間認識されてきた真実だとされています。
自分の強みに合わせて本当に意味のある仕事をするという日本の「生きがい」のような概念は、性格の強みと関わることが私たちのパフォーマンスと全体的な幸福感に与える深い影響を強調しています。
