花札の絵柄にもなっている小野道風とカエルの逸話です。
図柄を見ると、公家らしき男性が傘をさして、カエルが柳に飛びついている様子が描かれています。
ウィキペディアでは、この逸話を次のように紹介しています。
小野道風は、学問がなく書も歌も下手な公家でした。自分の才能のなさに自己嫌悪に陥り、書道をやめようかと真剣に悩み、諦めていました。
ある雨上がりの日、庭を散歩していると、カエルが柳の葉に飛びつこうとしている光景が目に入ります。
繰り返し繰り返し、飛びついては落ちていくカエルの姿を見て
「蛙はバカだ。いくら飛んでも柳に飛びつけるわけないのに」
とバカにしていた時、偶然にも強い風が吹き、柳がしなり、見事に飛びつくことができました。
これを見た道風はハッと気づきました。
「バカは自分だ。蛙は一生懸命努力をして偶然を自分のものとしたのに、自分はそれほどの努力をしていない」
と目が覚めるような思いをして、血を滲むほどの努力をするきっかけになったということでした。
そして、ついに日本一の書家になったということです。
「熱意が能力を開花する」
まさしく、そのことを表した逸話ですね。