ワクチンの効果はどれだけ続くのか? 2025/02/19Posted in医療全般, 文献 ワクチンを接種した後、どのくらいの期間、免疫が続くのかを正確に把握することは、公衆衛生戦略の立案や個別の接種計画を考えるうえで重要です。 例えば天然痘や黄熱などの生ワクチンは長期にわたる抗体反応を引き出す一方で、季節…
女性のヒップに対する視線—美容整形手術の動向 2025/02/18Posted inヘンな論文(私見), 心理学, 文献 人は女性のヒップを見るとき、いったいどこを見てしまうのでしょうか? なにもイヤらしいお話をしようとするのではなく、美容整形の分野ではいたってマジメな研究対象らしいです。研究チームは、人の視線がどこに集中するかを調べる…
「腎臓が悪いとタンパク質を食事制限」 : これは間違っていたのか? 2025/02/17Posted in文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病(CKD)の食事療法といえば、長年「タンパク質を控える」が王道とされてきました。 腎臓が傷むのはタンパク質の摂りすぎが原因と考えられていたためです。実際、動物実験では高タンパク食が腎臓の負担を増やし、病気の…
AIは論理パズルを解けるのか?推理力の限界 2025/02/16Posted inAI, パズル・クイズ, 文献 1962年に「Life International」という雑誌に「Who Owns the Zebra?」という論理パズル(通称アインシュタインのパズル、またはゼブラ・パズル)が紹介されました。下記の15層からなるパ…
ボノボは相手の「わからない」を見抜いて助ける 2025/02/15Posted in文献, 生物 ボノボが相手の知らないことを理解し、積極的に情報を伝えるという研究が発表されました。 人間は、相手が知らないことを考えて説明したり案内したりします。このような「他の人が何を知っているかを考える力」は、類人猿にもあるの…
赤ちゃんの心は道徳的に白紙なのか? 2025/02/14Posted in心理学, 文献 赤ちゃんにも「善悪を見分ける感覚」があるのだろうかという疑問は、発達心理学で長らく議論されてきました。 約20年前にカイリー・ハムリンらが行った実験では、6か月齢と10か月齢の乳児数十人を対象に、困っているキャラクタ…
マインドマップと医学教育 2025/02/13Posted in医療全般, 文献, 日常 マインドマップとは、英国の心理学者トニー・ブザンが提唱した思考整理の手法です。 1枚の紙の中央にキーワードを置き、そこから放射状に関連情報を展開し、文字や図、色彩などを組み合わせて、複雑な情報を視覚的に整理することを…
サプリメント選びの羅針盤:賢く活用するためのヒント 2025/02/12Posted in健康, 日常 サプリメント市場は拡大を続け、テレビやSNS、インフルエンサーの発信を通じて、様々な健康効果が謳われています。しかし、広告での主張と実際の効果との間には大きなギャップがあり、消費者は適切な基準で製品を選ぶ必要がありま…
日常のなかの未知との遭遇 2025/02/11Posted in日常 自分の知らないうちに、世の中が進化していたり、何かが流行していたりするのは、これまでもよく遭遇してきました。けれども、昨日は思いがけない発見から「世の中の一部を垣間見た」という感動を味わいました。 昨日の夕方、車…
ヒトの平均寿命は上限に達したかも知れない 2025/02/10Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 人の平均寿命が20世紀に入ってから一気に延びたことはよく知られています。たとえば高所得国において、出生時平均余命は1900年ごろから2000年までの約100年間で合計30年ほど伸びたと報告されています。しかし、その勢…
「継続する技術」:習慣化の秘訣、意志に頼らない継続の技術 2025/02/09Posted in読書 日々の暮らしで「これを続けたい」と思っていても、なかなか実行に移せず頓挫してしまうことがあります。日本のソフトウェアエンジニアである戸田大輔氏は、習慣化アプリのユーザーデータを分析し、継続の難しさを浮き彫りにしまし…
創造力を開花させる昼寝の力 2025/02/08Posted in文献, 日常 「問題に行き詰まって、いくら考えても解決策が見つからない…」そんな経験は誰にでもあるでしょう。しかし、昼寝をとって改めて取り組んでみたら、驚くほど鮮やかに解決の糸口が見つかってしまった。そんな経験も、また、あるかも…
終末期医療における意思決定を支援するSPIRITプログラム:透析患者とその家族のための新しい選択肢(アメリカ) 2025/02/07Posted in医療全般, 文献, 透析関連 近年、高齢化や医療技術の進歩に伴い、終末期医療における患者の意思決定を支援するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の重要性が高まっています。透析患者とその家族にとっても、終末期医療における事前の意思決定は、納得の…
痛風と慢性腎臓病(CKD) 2025/02/06Posted in医療全般, 腎臓のこと 慢性腎臓病(CKD)を抱える方は腎臓機能の低下によって尿酸を十分に排泄できず、高尿酸血症を生じやすいといわれています。米国NHANESの調査によると、痛風と診断された人のうち約3分の2がCKDステージ2以上であり、5…
夜中の歯ぎしりと酸化ストレス 2025/02/05Posted in健康, 医療全般, 文献 睡眠中の歯ぎしりが、体内の酸化ストレスを高め、動脈硬化や心血管疾患のリスクに繋がる可能性があることが、最新の研究で明らかになりました。 酸化ストレスとは? 酸化ストレスとは、体内で発生する活性酸素(ROS)と抗酸…
横になったままの血圧測定でわかること 2025/02/04Posted in健康, 医療全般, 文献 加齢や生活習慣によって血圧の管理は大きく変わります。近年、座ったままの測定だけでなく、仰向けに寝た状態(仰臥位)での測定も心血管疾患のリスクと深く関係することがわかってきました。 米国の大規模研究「ARIC研究」…
体重と幸福度の関係:10年間の追跡調査から見えてきた意外な真実 2025/02/03Posted in健康, 医療全般, 心理学, 文献 「太ると幸せが減る」という考え方は、多くの先進国で一般的です。確かに、BMI(Body Mass Index)が30を超える肥満は、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めます。見た目の変化や健康面への不安から、「太ると幸せ…
勝手にマジシャン紹介:ダロー 2025/02/02Posted inマジック, 勝手にマジシャン・シリーズ ダローは1955年8月13日にアメリカで生まれました。本名はダロー・マルティネスでしたが、後に血縁関係にある祖父の姓を名乗るため、ダロー・イーストンに改名したと伝えられています。幼少期の7歳の頃、トリック・デック(仕…
高齢者の腎臓を守るために:SGLT2阻害薬の光と影 2025/02/01Posted in腎臓のこと 腎臓内科医として日常診療をしていると、腎機能低下をきたすほどの脱水状態になっている患者さんに出会います。高齢者の方に多いのですが、他院で処方されたSGLT2阻害薬をそのまま継続されているケースが多いのです。SGLT2…
アメリカでは「患者もカルテを見る」時代に――電子カルテの言葉がもたらす影響 2025/01/31Posted in医療全般, 文献, 日常 アメリカでは、患者が自分の診療記録を自由に閲覧できるシステムが広く導入されています。多くの医療機関では「患者ポータルサイト」と呼ばれるオンラインシステムを通じて、検査結果や診断内容、医師の所見などをリアルタイムで確認…
透析患者さんのための健康ガイド:筋肉量を増やして元気に過ごそう! 2025/01/30Posted in文献, 透析関連 血液透析を受けている方の健康管理にはさまざまな要素がありますが、その中の一つとして「筋肉量(Lean Body Mass: LBM)」が深くかかわることが指摘されています。今回ご紹介する研究では、韓国の大規模レジスト…
赤ワインとがんのリスク 2025/01/29Posted in健康, 医療全般, 文献 赤ワインが健康に良いという話題を耳にすることがあります。抗酸化物質であるレスベラトロールが豊富に含まれるため、過去には心疾患や老化の予防につながるという見方もありました。しかし2025年、米国医務総監(Vivek M…
体脂肪率を推定する新しい方法 2025/01/28Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病(CKD)の患者さんは、過度な体脂肪が腎機能の低下や病状の進行に影響すると報告されています。今回の研究では、スペインのコルドバ大学病院でステージIIIまたはIVのCKD患者さんを対象に、新しい推定式を用いて…
脳の左右差とことばのつながり ―音と意味に関わる脳領域のお話― 2025/01/27Posted in文献, 神経科学 人間の脳は、左右でそれぞれ得意なことが違う、という「左右差」が知られています。ことばを話したり理解したりする機能は、主に左脳が担っていると言われており、なぜ左側が言語機能において重要な役割を担うのか、長年研究の対象と…
ハイブリッド勤務はイノベーションを阻害するのか?その課題と可能性 2025/01/26Posted in文献, 日常 新型コロナウイルスの流行に伴い、世界中の企業が在宅勤務(WFH)を一気に導入しました。通勤時間の短縮や柔軟な生活リズムといった利点が注目される一方で、すべてをリモートにすると同僚との対面コミュニケーションが減り、新し…