「アドバイスモンスター」を手なずける

 

 

経営コンサルタントのマイケル・ブンゲイ・スタニエ氏は、自身の著書で、「人は皆、アドバイスの衝動を制御する方法を学ぶべきだ」と述べています。

彼によれば、「アドバイスモンスター」は、「テル・イット(教えたがる者)」、「セーブ・イット(救いたがる者)」、「コントロール・イット(制御したがる者)」と呼ばれる三つの人格が存在するのだと言います。

例えば、友人が頭を抱えて「最近、眠れなくて困っているんだ…」と語った時、アドバイスモンスターを持つ人は「カフェインを控えたら?」「運動すると眠れるようになるよ!」などとアドバイスを浴びせがちです。しかし、本当に必要なのはそのアドバイスではなく、彼の話を静かに聞くことだったりします。

「テル・イット(教えたがる者)」は、自分が全ての答えを持つべきだと思い込ませます。「セーブ・イット(救いたがる者)」は、他人を救うのが自分の役割だと信じ込ませます。「コントロール・イット(制御したがる者)」は、全てを自分の手の中に収めなければならないと誤信させます。しかし、これら全てがアドバイスモンスターの虚像であり、現実には、自分の力だけで全てを解決することなど不可能なのです。

では、この厄介なアドバイスモンスターを手なずけるにはどうすればいいのでしょうか。

それは、アドバイスをしそうになったら、質問をする習慣に置き換えることです。

「あなたにとって、本当の問題は何?」と質問し、それに対する答えが出たら「それ以外に何かある?」と尋ねます。

これにより、自分自身のアドバイスモンスターを鎮め、他人の真の問題を理解するのに役立つことになります。

その結果、人々に答えを与えるのではなく、自分たち自身で答えを見つけるのを促すことになります。

そして、アドバイスモンスターが他人を支配するのではなく、対話と理解によってお互いの成長を支え合うことになります。