ビートルズの「One After 909」は、1970年に発売された12作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『レット・イット・ビー』に収録されています。
ジョン・レノンが作詞し、1960年春までに書かれた楽曲で、レノン=マッカートニーの初期の作品の1つとなっています。実は、1960年には未発表のホーム・レコーディングが作成されています。(アンソロジー1でその音が聴けます)
ビートルズ初期の楽曲らしく、ノリがいいロックンロールです。
1963年には、ビートルズが初めてレコーディングしましたが、この時はボツになり、しばらく日の目を見ることはありませんでした。
ビートルズは、この曲を含め、ライブで演奏するために新曲が必要だったのですが、作りかけの未完成の曲ばかりで曲数が足りなかったため、初期の頃の曲をもう一度掘り起こして演奏することが検討されたのでした。
それで、1969年1月28日にアップル・スタジオで行われたセッションで取り上げられ、同日のセッションでは4テイク録音されました。
その後、同月30日にアップル・コアの屋上で行われたルーフトップ・コンサートでも演奏されました。このテイクが映画「レット・イット・ビー」、そしてアルバムに収録されたものです。(もちろん、のちに映画「Get Back」にも収録)
2021年に発売された『レット・イット・ビー (スペシャル・エディション) 〈スーパー・デラックス〉』のディスク2にはテイク3が収録されています。
また、この曲のエンディング部分でジョンが歌っているのは、アイルランドの民謡「ダニー・ボーイ」の一節を意図的に変えたものです。