「楽天主義」と「楽観主義」

 

町の誰もが太陽の下でステップを踏み、人々に「すべて順調だ」と笑顔を振りまく、カラフルなミュージカル映画のようなシーンは理想かも知れません。

けれども、そんな映画でも、あるシーンではちょっとだけ陰りが見え隠れするものです。物語に奥行きをもたらすのは、そんな「ちょっとしたネガティブ」な要素です。

「何でもかんでもうまくいくさ!」と思い込むのは、ある種の魅力があります。人は心配したくないのです。

どんなことがあっても、何とかなると思っている状態を「楽天主義」と言います。自分で何とかしようとはしません。

しかし、その「楽天主義」の先には見えない危険が潜んでいるものです。それこそ定番の展開でしょう。

それが、極度のポジティブ思考の落とし穴です。

逆境に立ち向かうために、時には「ちょっとしたネガティブ」を持つことが必要です。

「ちょっとしたネガティブ」は、何事もすんなりと進むという甘い幻想から一歩引いて、現実を冷静に見つめることを助けてくれます。

誰もが自分だけが特別で、問題から逃れられるとは限りません。

うまくいかない可能性について考えることで、事前にリスクマネジメントを行うことができるわけです。

幸せとは、すべてがうまくいくという甘い幻想ではなく、困難と直面しても立ち上がり続ける勇気から生まれるものです。

「楽観主義」は、どんなことがあっても何とかしようと行動することです。