全てを読まない5つの読書法

 

 

この本には、「全読と部分読」という章があります。

そのなかで、著者は「必ずしも正確に本を読み取る必要はない」と断言しています。そして、「すべての本を隅から隅まで読む必要もない」とも言っています。

それを実践する具体的な方法として「全てを読まない読書法」について5つの方法が提示されていました。

最初は、「アリバイつくり読み」です。これは、本の前書き、後書き、目次などを読むことで、その本の全体像をつかむ方法です。これらの部分を読むことで、その本の理念や筆者の主張を理解することができます。また、筆者の背景を探ることで、その本の主旨をより深く理解できます。

次に、「独立読み」です。これは、本の一部を切り出して、その部分だけを深く読む方法です。全体の流れを理解した上で、特に重要な部分をピックアップし、その部分を深く読むことで、本の主旨を理解します。

そして、「裏づけ読み」では、自分の主張に都合の良いデータ、都合の悪いデータ、興味深いデータなどを見つけ出します。これにより、自分の理解を深め、新たな視点を得ることができます。

「飛ばし読み」は、時間を決めてその間に本を読む方法です。問題提起、意見提示、展開、結論という構造を理解しながら、その問題に対する筆者の立場や根拠、提案を把握します。

最後に、「斜め読み」です。これは、自分が既に知っている部分は飛ばし、わかりにくい部分や新しい知識を得られる部分に焦点を当てる方法です。特に、「確かに…しかし…」のパターンに注意し、筆者が何に反対しているのか、結論部分を明確にし、根拠が説得力があるかどうかを検証します。

これらの方法は、単なる時間節約のための読書法ではありません。それぞれの方法が、読者に対して深い思考を促すツールとなり、一冊の本から得られる知識や洞察を最大化することができます。

この「全てを読まない読書法」は、ただ速く読むためのテクニックではないということです。著者は「多読と精読の併用」を推奨していますが、精読はあくまでも多読の後にくるものだという意見です。

このため、多読するために、この「全てを読まない5つの読書法」をおすすめしています。

私がよくやっているのは4番目の「飛ばし読み」です。朝の決まった時間に新書1冊をひたすらページめくりしています。

著者が言うように「必ずしも正確に読み取らなくてもよいと決め」ているので、我ながら無責任な読み方です。購入した本ならそんなもったいないことできませんが、この方法を実践するために、Kindle Unlimited が重宝しています。