ナポレオンと瞑想

 

ナポレオンは、18世紀末から19世紀初頭における、フランスの軍人であり政治家です。
 
彼が行った改革や文化遺産について知らなくても、白馬にまたがるナポレオンの絵画「アルプス山脈を越えるナポレオン」は誰もが一度は見たことがあると思いますし、「我輩の辞書に不可能という文字はない」という言葉は手垢がつくほど有名です。

それ以外にも、没後200年を超えても尚有名であり続けている方ですから、どこかで聞いたような言葉が実はナポレオンがオリジンだったということを、たまに経験します。

「最大の危機は勝利の瞬間にある」「約束を守る最上の方法は、決して約束しないことだ」などは、「ナポレオンの言葉だったんかい!」とツッコミを入れたくなるほど聞き慣れた感じがします。

またどこかの映画のセリフかと思うような言葉もありますね。

「想像力が世界を支配する」とか「女とパリは留守にしてはだめだ」などがそうです。

「人はその制服のとおりの人間になる。」などもシンプルですが含蓄があります。

「愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る。」は、老荘の思想に通じるものがありそうです。

ところで、「ナポレオン言行録」でこんな一節がありました。

「私は常に仕事をし、よくよく瞑想する。私がいつもすべてのことに応え、すべてのことに立ち向かおうと待ち構えているように見えるのは、何かを企てる前に、永いあいだ瞑想し、起こるかも知れないことを予見しているからだ」

こんな箇所もありました。

「突如としてひそかに私に啓示してくれるのは天才ではなく、熟慮であり、瞑想なのだ。」

へえ、ナポレオンって瞑想していたのか!と素直に驚きました。しかも「よくよく瞑想」していたとは、全く知りませんでした。

ナポレオンにとっては、よく仕事をすることと瞑想は、セットだったのですね。

私が思う「瞑想」と少しニュアンスが違う気もしますが、やはり名をなす人は違うようです。

まさしく「すぐれた人間はいかなる人間の道をもたどらない」を実証しています。
 

 

David - Napoleon crossing the Alps - Malmaison1