「青空文庫」

 

ゲーテはこんなことを言っています。(斎藤孝著「座右のゲーテ」より)

 

「趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみつくられるからなのだ。」

 

斎藤氏はこの言葉を受けて「ゲーテは、中ぐらいのものをたくさん見たところで、ものを見る目は養われないと言っている」「最高を知れば、あとは自ずとわかるようになる」と解説してくれました。

人生は有限だ。ならば情熱を注ぐのならば、最高のものに注いだ方が良いと言います。

私は以前に「何々は嫌い」と言い切る前に、そのジャンルの最高のいいものに触れてから判断するのが良いと言われたことがあります。それを食わず嫌いというのだと諭された格好でした。

ゲーテの尺度は「好き嫌い」ではなくて、質の「よしあし」なのだそうです。

その点、日本文学の分野では「青空文庫」が大変役立ちます。古典と呼ばれる名作が無料で読めるからです。

夏目漱石や芥川龍之介、太宰治、菊池寛はもちろん、トーマス・マンやフランツ・カフカの作品も揃っています。

タブレットに落とし込んで、贅沢にその作家の全作品を持つことも可能です。

古典は単に古い書物というだけではなく、長い時間が篩(ふるい)となって(ダジャレではありません)いつの世でも規範となって読み継がれてきた作品ですから、間違いがありません。

読書したいけれど何を読もうか迷っている方に、「青空文庫」はいつもおすすめです。