鎌倉時代の僧侶、一遍上人の言葉です。
生ぜしもひとりなり
死するもひとりなり
されば人と共に住するも独りなり
そいはつべき人なき故なり
捨聖(すてひじり)と呼ばれた一遍上人。
自らの家を捨て、家族を捨て、全国を行脚し仏の教えを説いてまわった方です。
執着を捨て、我が身に一切を持たせぬ覚悟を持って生きられた方です。死ぬ直前には、自らの全ての書物を焼き捨てたというエピソードも残っていますから、徹底しています。
「一遍聖絵」にはこんな歌が添えられています。
おのづからあひあふときもわかれてもひとりはいつもひとりなりけり
人はそもそもひとりで生まれてひとりで死んでいきます。それを忘れると、とても弱くなってしまうのが人というものです。
一遍上人の言葉は、いつも勇気を与えてくれます。