『言志四録(げんししろく)』は、西郷隆盛が流罪先の沖永良部島で座右の書としていたことで有名です。
この本の著者である幕末の儒学者・佐藤一斎は、ほかにも佐久間象山、吉田松陰、勝海舟などに影響を与えました。
原文は漢文なので、やはりここは「超訳」と銘打たれた本に助けを求めることにしました。
いわゆる「三学の教え」と言われる、この一節が有名です。(言志晩録 60)
少にして学べば、即ち壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、即ち老いて衰えず。
老いて学べば、即ち死して朽ちず。
意味はこうです。
「少年の時に学んでおけば、それが壮年になって役に立って事を為せる。壮年になって学んでおけば、老年になっても気力・知力は衰えない」
そして、最後の一行が最も肝になるところです。
「老年になっても学んでいれば、見識も高くなり、より多く社会に貢献できるから死んでもその名の朽ちることはない」
さすが儒学者の言葉ですね。中心に「学び」があります。「論語」の最初も「学び」についてでした。
人はいくつになっても学ぶ意味があり、学ぶことで自分の価値を高めていくのですね。