倍速作戦?

 

当然ですが、時計の針は、秒針だと1秒ごとに1秒分だけ、分針だと1分ごとに動くようになっています。それが時計というものです。

針の速度が一定であることが前提ですし、そもそも勝手に進んでいたりしたら、不良品として下手すると廃棄処分です。正しい時刻を示さない時計は迷惑なだけですから。

そういう常識もあって、この論文のタイトルの初見はさすがに「?」でした。

 

時計の表示時間速度制御による単純作業の処理速度向上手法, 伴祐樹・櫻井翔・鳴海拓志・谷川智洋・廣瀬通孝. 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 21(1), 109-120.

 

つまり、作業の処理速度を向上させるために、時計の針の速度を調整する方法がうまくいったと言うのです。

作業効率は時間感覚に影響されることがわかっています。〆切りギリギリの残り時間で圧倒的なスピードを発揮する、「火事場の馬鹿力」的な、アレです。

それを人為的にこしらえることができないか?というものですね。

具体的には、時計の針を1.5倍速に動かしました。

すると、速度を変えない(普通の)時計や0.67倍に遅くした時計に比べて、作業量を向上させることができたのだそうです。しかもエラー率も低下していたとのこと。

時間感覚というのはつくづく視覚に頼るところが大きいのですね。見事に錯覚を起こしてサイボーグ009の加速装置を装着した感じにでもなるのでしょうか。

でも、アナログ時計で1.5倍速に進むものなど簡単に手に入りそうにありません。スマホアプリで探してみたら、iOSアプリにありました!(すみません。Androidでは探していません)

「Lucky Clock」というアプリで、設定で「この時計の1時間は何分」で、30分から90分まで10分ごとに設定可能です。

1時間の1.5倍速は45分ですが、40分か50分で構わない気がします。

やはり、これは自ら試してみたいと思いました。体験してみないとわからないこともあります。

今度の事務作業の時期がきたら、この時短作戦を実行してみたいと思います。