「バオー来訪者」

 

 

もう35年も前になるのですね。

「ジョジョの奇妙な冒険」の連載のスタートが1987年。連載開始の当初は、当時の少年誌には珍しく舞台が外国であったり、古風な設定や展開が続いていたので、大丈夫かと心配していた記憶があります。残念ながら、先見の目がない私には気になる作家の一人ぐらいの存在でした。

ただ、私よりオタク度の高かった友人が荒木飛呂彦先生をすでにべた褒めしていて、前作の「バオー来訪者」を絶対読むべきだと強くススメてくれたのが、ハマるきっかけとなりました。

このマンガは今でもやはり時々思い出しては読み返したくなります。

「少年ジャンプ」では浮いた存在だったと思うのですが、人間を超えた究極生物を描くことに関しては、やはり荒木先生は天才です。

もちろん、まだ粗削りな画風ですが、それがまた良いのです。

「ジョジョの奇妙な冒険」第2部を彷彿とさせる描写が随所にちりばめられています。

そして、セリフのセンスはもちろんのこと、意表をつくオノマトペもすでにその片鱗をのぞかせています。いわゆる「声に出して読みたい日本語」のアドバンス・コースというやつです。

ところが、このマンガはかなり盛り上がってきたところで終了します。当時は連載打ち切りだったというお話もありましたが、実際は構想通りの終了だったようです。

そこから、ジョジョが始まったと思えば、納得することもできます。